【日経平均】305円高で波乱続きの2月を締めくくる

2013年02月28日 19:59

 NYダウは175ドル高で14075ドル。史上最高値まであと85ドル。ウォール街にはまた違う風が吹いているようだ。28日朝方の為替レートはドル円が92円台前半、ユーロ円が121円台前半で少し円安。心配されたイタリア中・長期国債の入札は金利は上昇したが順調に消化された。やはりイザとなったらECBが出てきて助けてくれる約束があるというのは、どこかの国の安全保障と同じで「それだけで安心」なのか。

 NY市場の大幅高、円高一服、25日移動平均線付近からの自律反発、月末恒例のドレッシング買い、野村アセットマネジメントの2本の日本株投信設定に伴う新規設定買い、MSCIインデックスの銘柄入れ替え、ピークを迎えつつある決算対策売り、イタリアの政局、アメリカの「財政の崖・第2ラウンド(強制歳出削減)」、など、買い、売り、様子見の要素が複雑にからみあう28日の日経平均は142.76円高の11396.73円で始まった。すぐに11400円台を回復し、徐々に上げ幅を拡大。後場には11500円台にも乗せた。投信の新規設定で日経平均先物は少しずつ買われていた模様で、終値は305.39円高の11559.36円まで上がった。売買高は32億株だったが売買代金は2兆円超え。+21.94の975.66だったTOPIXの上昇率は日経平均より0.41ポイント小さく、日経平均は投信の新規設定に伴う大口買いで徐々に切り上がる日経平均先物に引っ張られていた。

 月の取引最終日にその月の終値最高値をマークする記録は3ヵ月で途切れたが、月末が月初より高いローソク足の白(陽線)はこれで7ヵ月連続記録更新。2月は4~12月期決算ラッシュ、中国軍のロックオン騒動、北朝鮮の核実験、G20、日米首脳会談、日銀総裁人事、イタリア総選挙と波乱続きだったが、300円を超える大幅高で締めくくった。

 値上がり銘柄数が全体の85.3%に及ぶ全面高なので全業種プラス。値上がり率が大きかったのは倉庫、不動産、自動車、ゴム、電機などで、小さかったのは空運、その他金融、水産・農林、食品、繊維などだった。

 午前に「黒田総裁、岩田(規)副総裁、中曽副総裁」という正式の日銀人事案が政府から国会に提示され、金融緩和期待で銀行、証券は揃って反発。みずほ<8411>は5円高、三菱UFJ<8306>は8円高、三井住友FG<8316>は30円高、野村HD<8604>は10円高になった。輸出関連株にも買いが集まり、自動車関連ではトヨタ<7203>が160円高、ホンダ<7267>が125円高、デンソー<6902>が250円高だった。ソニー<6758>は46円高、コマツ<6301>は83円高だったが、ファナック<6954>が440円高、キヤノン<7751>が130円高、京セラ<6971>が180円高、アステラス製薬<4503>が165円高と、ハイテク銘柄に3ケタ上昇株が続出した。ローソン<2651>が160円高、ファミリーマート<8028>が105円高、良品計画<7453>が120円高と、内需系の小売勢も負けていない。もちろん日経平均の〃機関車〃ファーストリテイリング<9983>は850円高で力強く牽引した。

 一方、JPX<8697>は830円安で不名誉な値下がり率1位になり、前日の大引け1分前の土壇場の急騰分はほぼ帳消し。値下がり率ランキングでは林兼産業<2286>が2位、日本配合飼料<2056>が3位、中部飼料<2053>が4位、協同飼料<2052>が9位に入り、前日と前々日にこの後の「この日の主役」でとりあげた銘柄が売られボロボロ下落した。関税率がゼロかごく低く、TPPに参加してもしなくても変化はほとんどないという説明を読んだ投資家が急いで手放したか?

 この日の主役は「不動産」。株式市況のアップダウンが激しいこの週も東証REIT指数は9日続伸で、不動産関連銘柄はずっと堅調。この日は大手の三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>が揃って上昇し、特に住友不動産は191円の大幅高で株価が3000円を突破して昨年来高値を更新した。トーセイ<8923>が値上がり率7位、東京建物<8804>が同18位に入っている。土地含み資産銘柄の東京都競馬<9672>は来年参入するメガソーラー事業が初年度から黒字の見通しという話もあり、売買高3位、売買代金9位と買いを集めて値上がり率5位の29円高。東京テアトル<9633>は値上がり率6位で、よみうりランド<9671>は31円高だった。澁澤倉庫<9304>が28円高、住友倉庫<9303>が41円高、安田倉庫<9324>が55円高、三菱倉庫<9301>が100円高、三井倉庫<9302>が22円高と大手倉庫銘柄が揃って好調だったのも、TPP関連と並んで多分に土地含み資産の要素がある。

 なお、値上がり率1位、売買高4位だったマンション分譲のランド<8918>は、有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)に暴力団が関与した疑いで証券取引等監視委員会と神奈川県警が調査中だが、前日に会社側が「自主調査の結果、反社会的勢力の関与なし」と発表し、合わせて債権者と交渉して2億3000万円の債務免除にこぎつけたと明らかにした。不動産関連銘柄が買いを集めたこの日の動きとは別物と考えていい。(編集担当:寺尾淳)