気候変動実態解明など今後10年の地球観測方針

2025年01月31日 06:12

 科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会地球観測推進部会は29日までに「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」を策定した。地球規模課題の解決に向け、科学的根拠となる地球観測データ等 を活⽤し、「地球インテリジェンス」を創出し、その利活⽤を促進する、などをあげている。

 実施計画では「国や地方公共団体にとどまらず、企業等においても地球観測活動からデータの利活用までの取組みが進んでいる現状を踏まえ、地球観測データ等の多様なデータを統合し、具体的な課題解決に必要な知識や洞察を提供し、貢献する『地球インテリジェンスの創出』をテーマにした」としている。

 また「地球観測データ等の更なる利活用に向け、地球観測データの創出、社会科学に関するデータ等との統合・分析、評価・価値化、エンドユーザーの利活用、更に観測現場へのフィー ドバックを含む、地球観測の『データバリューチェーン』の実現が必要である」と提言している。
 
 分野別でみると、気候変動では「国際協⼒の下、温室効果ガスの排出量等や極域における海氷融解等の影響による海⾯上昇等を観測し、気候変動の実態解明に貢献する」。生物多様性・生態系の保全では「⽣物多様性や⽣態系に関する観測網を構築、その実態解明や保全に必要なデータを収集する」としている。(編集担当:森高龍二)