NISSAN、第三世代「e-POWER用高効率エンジンの燃焼設計と実用化」が日本燃焼学会「技術賞」を受賞

2025年12月06日 11:21

NISSAN 「ZR15DDTe」

STARCコンセプトと呼ぶ日産独自の燃焼技術によって、42%という高い熱効率を達成した発電特化型エンジン「ZR15DDTe」

 日産自動車は、「STARC燃焼コンセプトを核とした次世代e-POWER用高効率エンジンの燃焼設計と実用化」が、2025年度日本燃焼学会における「技術賞」を受賞したと発表した。STARC(Strong Tumble and Appropriately streched Robust ignition Channel)とは、日産が2021年に発表した高い熱効率を実現する燃焼コンセプト。

 そもそも「e-POWER」は日産独自の電動パワートレーンであり、エンジンを発電専用とし、駆動は電気モーターのみで行なうシリーズ型ハイブリッドシステム。電気モーターのみでクルマを駆動するため、力強くレスポンスの良い加速と高い静粛性が特徴のユニット。スムーズな加速、滑らかな走行感覚でEVのような運転体験を提供する。

 今回、技術賞を受賞した第3世代e-POWERは、5つの主要コンポーネントを一体化した5-in-1電動パワートレーンと、発電専用の新開発1.5リッターターボエンジンを組み合わせ、大幅な燃費性能の向上と高い静粛性を実現。同パワートレインを搭載したSUV「キャシュカイ」はこの8月に欧州市場に投入され、高い評価を得ている。

 今回受賞した技術は、発電特化型「ZR15DDTe型エンジン」に採用された技術で、STARCコンセプトと呼ぶ日産独自の燃焼技術によって、42%という高い熱効率を達成している。受賞理由として、「長年にわたる燃焼研究で培った技術を基盤として、より高度な燃焼設計を行い量産化したことが、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する技術として、革新性・実用性・社会的意義を備えた技術」との評価されている。

 このエンジンが搭載された第3世代「e-POWER」は、日本市場においては2026年夏の発売を予定している新型「エルグランド」、また北米市場においては2026年中に発売予定の新型「ローグ」に搭載する予定だ。(編集担当:吉田恒)