OpenAI、企業向け「Presence」発表 AIエージェント導入競争が本格化

2026年07月23日 14:20

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社内システムと連携し、問い合わせ対応から業務実行までを担うAIエージェントのイメージ。OpenAIは企業向けサービス「Presence」を発表した。(画像:イメージ)

今回のニュースのポイント

OpenAIは企業向けAIサービス「Presence」を発表しました。AIが質問に答えるだけでなく、社内システムと連携しながら業務を実行するAIエージェントの導入・運用を支援するサービスです。AI開発競争は高性能モデルを競う段階から、企業の実業務へAIを組み込む競争へと移りつつあり、AIエージェント市場は新たな局面を迎えています。

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 対話型AI「ChatGPT」などを手掛ける米OpenAIは2026年7月22日、企業向けの新サービス「Presence(プレゼンス)」を発表しました。Presenceは、企業がカスタマーサポートや社内問い合わせなどで活用する「AIエージェント」の構築、導入、運用管理を一元的に支援するプラットフォームです。社内の顧客データベースや業務システムとAIを安全に連携させ、適切なアクセス権限の設定や人間へのスムーズな引き継ぎ(エスカレーション)を行うためのセキュリティ機能や管理ツールを備えています。ソフトバンクなどの企業でも活用に向けた取り組みが進められており、企業の実業務におけるAIエージェント活用の基盤として関心を集めています。

 従来の生成AIは、ユーザーからの質問に対してテキストや画像で「回答を返す」ことが主な役割でした。しかし現在では、AIの役割が「回答を作成する存在」から「業務を遂行する存在」へと変化し始めています。具体的には、問い合わせを受けたAIが顧客情報を確認し、社内データベースを検索した上で、返金処理や契約内容の変更といった手続きまでを自律的に実行する動きです。また、自らの権限を超える複雑な判断が必要な場合には、これまでの経緯を整理した上で人間の担当者へ正確に引き継ぎます。単なる会話や文章作成にとどまらず、一連の業務プロセスを最後まで完遂する機能を持つAIエージェントは、企業の業務効率化や人手不足対応の手段として位置付けられています。

 今回のPresenceの発表は、OpenAI自身の事業戦略における変化を示しています。同社はこれまで、ChatGPTに代表される高度な汎用AIモデルやAPIそのものの提供を中心に事業を展開してきました。しかし、AIモデルそのものの開発競争が進む中、同社はモデルの提供にとどまらず、企業がAIを実業務に組み込むための運用基盤の提供へと領域を広げています。企業が安心して自律型AIを実業務に組み込める環境をシステムとして整え、導入から運用監視までを含めたエンタープライズ向け事業の強化を進める動きと位置付けられます。

 現在、企業向けAIエージェント市場を巡っては、世界の主要IT企業による開発と顧客獲得の動きが活発化しています。米マイクロソフトや米グーグル、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)といったクラウド大手に加え、米セールスフォース、米アンソロピック、さらには通信大手のソフトバンクなども、企業向けAIエージェントの提供や導入支援に注力しています。かつては「AIモデルのパラメータ数やベンチマークテストのスコア」といった基本性能の競い合いが注目されていました。しかし、現在の市場では「企業の社内システムとスムーズに接続し、実際に業務がエラーなく動くか」という実運用での評価へシフトしています。

 生成AIの普及初期においては、AIがどれほど巧みに人間らしい対話を行えるかが注目されました。しかし、企業が実際の現場でAIを採用する際に重視するのは、回答の対話性能だけではありません。厳格なセキュリティ要件を満たした上で社内システムと安全に連携し、業務を確実に実行できる実用性と信頼性が最優先されます。OpenAIによるPresenceの発表は、AIエージェントが検証段階を経て、企業の基幹業務へと本格的に組み込まれる導入段階へ入りつつあることを示しています。今後はモデルそのものの処理能力だけでなく、「現場でどこまで安定して稼働し、業務を支えられるか」が、市場における評価を左右することになりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)