DyDo、震災の影響を受けるも増益で着地

2011年08月29日 11:00

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ダイドードリンコの代表取締役社長である高松富博氏が26日、平成24年1月期第2四半期業績を発表した。

 ダイドードリンコは26日、平成24年1月期第2四半期業績を発表した。長引く不況、大震災による影響など厳しい経営環境の中、グループ全体での売上高は734億5100万円(前年同期1.1%減)、営業利益は38億800万円(前年同期47.4%増)、経常利益は35億1000万円(前年同期60.7%増)の決算となり、四半期純利益は7億4400万円(前年同期23.1増)となっている。

 国内の雇用情勢や所得環境は依然厳しく、また、3月11日の東日本大震災の影響が甚大であったことにより、生産や調達の先行き不透明感は一層高まり、個人消費も引き続き厳しい状態となっている。飲料業界においても、消費者の節約志向や低価格化の進行に加え、大震災による電力不足問題に端を発した節電対応における販売への影響も懸念されてきた。

 こうした中、同社グループは飲料販売部門において、平成23年1月21日付けで、営業・生産・商品開発を中心とした組織改革を継続的に実施。製品開発からオペレーションまで全てのビジネスプロセスを見直し、堅固な収益体質の構築を目指してきた。また、業務の全面的な見直しによる固定費削減など徹底したコストコントロールも行い、利益確保に注力することで、震災による影響を最小限に抑制。さらに、東北地方で被害にあった自動販売機も、その後の被災地復興に合わせる形で自動販売機網の再整備に尽力しているという。

 商品面では主力ブランドである「ダイドーブレンドコーヒー」シリーズにおいて、砂糖を含まないゼロ系タイプ「ダイドーゼロスペシャル[砂糖ゼロ]」を新たに発売。ラインアップの充実を図り、幅広いユーザーの囲い込みとシェアを維持している。自然派ウォーター「ミウ」については、食品の品評会として世界で最も歴史のあるモンドセレクションの金賞を3年連続受賞し、より一層のブランド確立を目指しているという。同社の主力販路である自動販売機においては、不採算先自動販売機の撤去やスクラップ&ビルドという投資効果に主眼をおいた設置ロケーションの選定を実施。採算性を一層重視した強固な全自販機の見直しを行ない導入する自動販売機も「ヒートポンプ自販機」、「LED照明自販機」「IH自販機」など環境を意識した節電性の高い「エコ自販機」の徹底した開発・採択にまい進。さらに大震災で評価された迅速で有効な支援ツール「災害救援自販機」や、収益金の一部を募金として寄付する「社会貢献型自販機」を投入するなど、地域社会や消費者に支持される新しい自販機を積極投入している。

 また、飲料受託製造部門においては、「美容と健康」を謳った女性向け商品を開発する体制を構築、大手化粧品会社など多方面にわたる受注を獲得している。さらに営業開発体制の強化並びに生産体制の整備拡充に加え、大手医薬品等有力メーカーの生産スタイルが「自社生産」から「OEM生産」にウエイトシフトしたことなどにより、安定した受注を確保、業績を伸長させているという。

 同グループは大震災の影響を少なからず受けてはいるものの、グループ内における抜本的構造改革による経営体質の改善や前期より取り組んできた業務の全面的な見直しによる固定費削減など、徹底した経営効率の向上により、平成24年1月期第2四半期業績は減収増益という結果となっている。

 また同日、グループに及ぼす東日本大震災の影響が不透明であったため、未定としていた通期業績予想当について、その影響を精査し発表。当初の計画通り売上高は1460億円(前連結合計年度比3.5%減)、営業利益67億円(前連結合計年度比2.5%増)、経常利益58億5000万円(前連結合計年度比0.7%増)、当期純利益23億5000円(前連結合計年度比12.7%減)としている。