富山第一銀行決算、過去最高益で増配 金利上昇下の地銀収益に追い風

2026年05月13日 14:20

今回のニュースのポイント

富山第一銀行の2026年3月期連結決算は、経常利益が前期比10.7%増の20,989百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.7%増の15,055百万円となり、いずれも過去最高益を更新しました。金利上昇が資金利益を押し上げたほか、株式等売却益も収益に寄与しました。同行は2025年度の年間配当を前期比50円増の84円に大幅増配するとともに、最大55億円の自己株式取得を決定するなど、株主還元を強化します。

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 2026年3月期の連結業績は、経常収益53,147百万円(前期比9.6%増)、経常利益20,989百万円(同10.7%増)となりました。日本銀行による政策金利の引き上げを背景に、貸出金利息や有価証券利息配当金といった資金利益が着実に伸長しました。

 本業の儲けを示す銀行単体の「コア業務純益」は11,867百万円となり、4年連続で過去最高益を更新しています。資産面では、事業者向け融資の拡大や住宅ローンの増加により貸出金残高が1兆330億円(前期比315億円増)に達したほか、有価証券運用でも機動的なポートフォリオの見直しによって収益を積み上げました。

 利益拡大に伴い、株主還元を大幅に強化します。2026年3月期の期末配当を従来予想から6円上積みして56円とし、中間配当と合わせた年間配当は84円(前期は34円)となります。また、発行済株式総数の約3.2%にあたる200万株、総額55億円を上限とした自己株式の取得を、2026年5月13日から29日にかけて実施することも発表しました。

 一方で、費用面では賃上げによる人件費の増加に加え、預金利息や与信費用の増加により、経常費用は32,158百万円(前期比8.8%増)となりました。今後は物価上昇に伴う経費増や、不透明な経済環境下での追加的な信用コストの発生も注視する必要があります。

 2027年3月期の連結業績予想については、経常利益18,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13,000百万円と、減益を見込んでいます。コンサルティング機能の強化や生成AIの活用による業務効率化を進める方針です。

 今回の決算は、地方銀行にとって金利上昇が収益改善につながり始めたことを示しています。ただ、預金金利の上昇で調達コストも増えており、貸出先企業の業績悪化が信用コストに跳ね返るリスクもあります。人口減少が進む地方市場で、地域企業への資金供給を維持しながら、貸出、資産運用、コンサルティングを組み合わせた収益構造をどこまで厚くできるかが問われます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)