今回のニュースのポイント
石油資源開発の2026年3月期連結決算は、純利益が前年比34.2%減の534億円となりました。原油・天然ガス価格の下落に加え、LNGの販売量減少が響き、営業利益は37.2%減と大きく落ち込みました。次期は北米のVerdad Resources社取得による増益を見込む一方、操業停止が続く中東ガラフ油田の売上を織り込んでおらず、エネルギー安定供給と資産の再配置が重要課題となっています。
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2026年3月期の連結業績は、売上高3,403億3,600万円(前期比12.5%減)、営業利益389億1,500万円(同37.2%減)、経常利益615億4,900万円(同4.1%減)となりました。
大幅な減益の主因は、国際的なエネルギー市況の変動です。主力であるE&P(探鉱・開発・生産)事業の売上高は前期比15.3%減の1,092億円となりました。原油・天然ガスの販売価格下落に加え、国内および欧州におけるLNG販売量の減少が収益を圧迫しました。インフラ・ユーティリティ事業も、LNG受託等の減少により売上高は8.9%減の1,723億円にとどまりました。
セグメント別では、日本国内において原油価格下落と円高進行が販売収支を圧迫しました。海外においても、北米では販売価格の下落、欧州(英国)では子会社株式の譲渡に伴う販売量減が響きました。中東セグメントについては、原油価格の下落に加え、イラクのガラフ油田における操業・出荷停止という地政学的リスクが表面化し、減収減益を余儀なくされています。
一方で、経常利益の減少幅が4.1%にとどまった点は注目に値します。これは、持分法投資損益の改善や、前期の営業外で発生した為替差損が利益(為替差益)に転じたことなどが下支えとなったためです。しかし、最終的な純利益は、前期に計上した投資有価証券売却益という一過性要因の剥落もあり、34.2%の減少となりました。
財務面では、2025年に北米のVerdad Resources社を取得したことに伴い、固定資産が大きく増加しています。この買収投資により現金及び現金同等物は499億円に減少しましたが、自己資本比率は72.8%と依然として高水準を維持しており、健全な財務体質を背景に攻めの姿勢を維持しています。一方で、北米資産の取得に伴い資産規模や資本負担も拡大しており、今後の大型投資継続には資金管理や投資回収力の検証も重要となります。
2027年3月期の見通しについては、売上高3,030億円、純利益600億円(今期比12.3%増)を予想しています。イラクのガラフ油田については再開の目処が立たないため売上予想から除外していますが、北米資産のフル寄与や、北海道のガス関連事業の譲渡益などが利益を押し上げる計画です。
同社は現在、2035年に向けた新経営計画のもと、従来の資源開発会社から「安定供給と移行期エネルギーを担う企業」への役割拡大を掲げています。不安定な中東情勢や資源価格の変動リスクを抱えるなか、北米でのシェールオイル・ガス資産の拡大が、いかに収益の安定化と持続的成長を担保できるかが、今後の最大の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













