大和ハウス決算、住宅・商業施設が堅調 資産拡大で財務管理が焦点

2026年05月13日 20:33

今回のニュースのポイント

大和ハウス工業の2026年3月期連結決算は、売上高が前期比2.6%増の5兆5,768億円、営業利益が同12.6%増の6,148億円となりました。国内外の戸建住宅や賃貸住宅、商業施設が堅調に推移し、増益をけん引しました。一方で、積極的な用地仕入れや住友電設の連結子会社化により、総資産は8兆4,124億円まで拡大しています。次期は資材高騰等の影響を織り込み、営業利益4,000億円を見込んでいます。

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 2026年3月期の連結業績は、売上高5兆5,768億6,100万円(前期比2.6%増)、営業利益6,148億7,900万円(同12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,505億6,800万円(同7.8%増)となりました。これにより、第7次中期経営計画で掲げていた最終年度の売上・利益目標を1年前倒しで達成しました。

 なお、当期の営業利益には退職給付数理差異等償却益1,156億円が含まれており、この特殊要因を除いた実質的な営業利益は4,992億円(前期比12.2%増)となっています。

 セグメント別では、戸建住宅事業が躍進しました。国内での規格住宅「Smart Made Housing.」の拡販や各種キャンペーンが奏功し、注文・分譲ともに販売戸数が増加。米国でも販売コミュニティの拡大や大型土地売却が寄与し、部門営業利益は前期比123.0%増の1,556億9,600万円と大幅に伸長しました。

 賃貸住宅事業も、管理戸数の拡大と安定した入居率を背景に、部門営業利益1,411億4,200万円(前期比8.6%増)と堅調でした。商業施設事業では、自社開発物件の売却益や、稼働率と客室単価が上昇したホテル事業が寄与し、同11.4%増の1,624億9,200万円となりました。一方、これまで収益を支えてきた事業施設事業は、物流施設などの開発物件売却が減少した影響で、売上・利益ともに前期を下回りました。

 財務面では、事業規模の拡大に伴う資産の膨張が顕著です。販売用不動産の積極的な取得に加え、2026年3月に住友電設を連結子会社化したことで、総資産は前期末比1兆3,630億円増の8兆4,124億1,900万円に達しました。

 この投資拡大を背景に、投資活動によるキャッシュ・フローは7,260億円の支出となり、借入やコマーシャル・ペーパーの発行による資金調達により、財務活動によるキャッシュ・フローは6,310億円のプラスとなっています。有利子負債(リース債務等除く)は3兆767億円まで増加し、D/Eレシオは1.06倍となりました。

 2027年3月期の通期予想は、売上高5兆8,000億円、営業利益4,000億円を見込んでいます。次期は前期に計上した退職給付数理差異等償却益の反動に加え、資材・設備の値上げや工事遅延、労働力不足といったコスト増を織り込んだ慎重な計画です。また、2026年10月1日付で1株につき2株の割合で株式分割を実施することも発表しました。

 同社は現在、主力である住宅事業に加え、物流・商業・環境エネルギー領域への展開を進めています。ただ、社会経済環境の不透明感から第8次中期経営計画の発表を延期しており、金利上昇局面における膨大な資産ポートフォリオの効率化と財務の健全性維持が、今後の経営の舵取りにおいて重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)