外国人制度は何が変わるのか 政府が見直す在留・永住制度の全体像

2026年07月27日 12:11

国会議事堂6

政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定し、JESTA(電子渡航認証制度)の導入や在留・永住制度の見直しなど、「入国から永住」に至る外国人制度全体の適正化を進める方針を示した。(写真は国会議事堂)

今回のニュースのポイント

政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定しました。訪日外国人や在留外国人が増加する中、事前審査(JESTA)の導入から各在留資格の厳正運用、永住・帰化要件の見直し、不法滞在対策まで、「入国から永住」に至る制度全体の適正化を図る方針を打ち出しています。

本文
 在留外国人数が過去最高を更新し、訪日外国人旅行者も増加を続ける中、政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を取りまとめました。一部の外国人によるルールの逸脱や制度の不適正利用に対する国民の不安や不公平感に対応するため、外国人制度を「入国前」から「永住・帰化」に至るまで総合的に見直す方針です。

 まず入国前の段階では、査証(ビザ)免除国からの渡航者を対象に事前チェックを行う「電子渡航認証制度(JESTA)」を令和10年度中に導入します。あらかじめ審査を行うことで不法滞在目的などの渡航を未然に防ぐことが期待されるとともに、空港での審査待ち時間の短縮を図ります。

 入国後の在留管理においては、デジタル技術を活用した厳正な運用が進められます。令和8年6月からは、在留カードとマイナンバーカードを原則一体化した「特定在留カード等」の運用を開始します。さらに令和9年3月以降は、マイナンバーを活用して出入国在留管理庁が税や社会保険料の納付情報を関係機関から直接取得・照合できる仕組みを構築し、在留審査に活用します。

 また、各在留資格の運用も適正化されます。事業実態に疑いがあるケースが指摘される「経営・管理」、認められた活動と異なる業務に従事する事例がある「技術・人文知識・国際業務」、アルバイトの時間制限違反が問題となる「留学」などについて、実態調査や税・公租公課の履行状況の把握を強化します。新たに開始される「育成就労」や「特定技能」についても、人手不足数の精査や試験合格証明書の偽変造防止を徹底します。

 長期滞在の終着点となる「永住」や「帰化」の審査も見直されます。在留資格「永住者」については、公租公課の故意な未払いなどに対する取消事由の追加(令和9年4月施行予定)に向けたガイドライン策定を進めるとともに、独立生計・国益要件の見直しや日本語・制度ルールの学習プログラム受講を条件とすることを検討します。一方、帰化審査についても、永住許可の原則10年以上という在留要件との整合性を踏まえ、原則10年以上在留し日本社会に融和していることを求める方向で厳格化の検討が進められます。

 さらに、ルールを守らない滞在者に対しては「不法滞在者ゼロプラン」を強力に推進します。護送官付きの国費送還を拡大して退去強制確定者を令和12年末までに半減させることや、長期化している難民認定審査の迅速化(平均処理期間を令和12年までに6か月とする目標)を掲げています。

 今回の対応策は、ルールを守って生活する外国人を適正に評価・受容する一方で、法令遵守を徹底させる「秩序ある共生社会」の実現に向けた、制度全体の構造的な見直しと言えます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)