建設業の人手不足は改善したのか 国交省調査が映す現場の変化

2026年07月28日 10:27

自宅修繕

国土交通省の建設労働需給調査では、技能労働者の不足幅は前月から縮小したものの、職種や地域によって需給状況には差がみられた。建設現場では、必要な技能を持つ人材を適切に確保・配置することが重要な課題となっている。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

国土交通省が発表した2026年6月の建設労働需給調査によると、全国の主要8職種における技能労働者の過不足率は1.0%の不足となり、前月から不足幅が縮小しました。ただ、職種や地域によって需給状況には差がみられます。単なる量的な人手不足の解消というよりも、必要とされる職種や配置のバランスが変化しつつある実態が浮かび上がっています。

本文
 国土交通省が27日に公表した2026年6月の「建設労働需給調査」によると、全国の主要8職種における技能労働者の過不足率は1.0%の不足となりました。前月(1.2%の不足)から0.2ポイント、前年同月(1.1%の不足)から0.1ポイントそれぞれ不足幅が縮小しました。また、6職種計でも0.5%の不足となり、同様に前月から不足幅が縮小しています。

 不足幅は前月から縮小しましたが、本調査は労働需給の状況が前月より改善したことを示すものであり、過不足率の縮小要因については調査結果だけでは判断できません。

 今後の労働者確保に関する見通し(8職種計)を見ると、翌々月(8月)は「普通」と回答した割合が69.1%、翌々々月(9月)も「普通」が59.7%と過半数を占めています。「普通」との回答が最も多く、需給は大きく偏らないとの見方が中心となっています。

 今回の調査結果で特に注目されるのは、職種ごとの需給の偏りです。

 職種別(原数値)に見ると、最も不足感が強かったのは「配管工」の2.7%不足で、次いで「型わく工(建築)」が2.1%不足、「左官」が1.3%不足となりました。一方で、「鉄筋工(建築)」は1.9%の過剰(マイナス1.9%)となり、前月に続いて供給過剰の傾向を示しています。建設業全体を一括りに「人手不足」と捉えるのではなく、職種ごとに需要の偏りが生じていることがうかがえます。

 こうした温度差は地域別(8職種計・原数値)でも確認できます。

 最も不足率が高かったのは関東および中部の1.3%不足、北海道の1.1%不足、東北の1.0%不足でした。特に中部地区は前年同月から1.3ポイント不足幅が拡大しています。一方、「沖縄」は0.0%と需給が均衡しており、「北陸」は0.9%の過剰(マイナス0.9%)となるなど、地域によって需給状況にはばらつきがあります。

 調査結果からは、建設業では人員数だけでなく、職種や地域ごとの需給を踏まえた人材確保の重要性が高まっていることがうかがえます。

 今回の調査は、不足率が前月より縮小したことだけを示すものではありません。建設業では、職種や地域によって人材需給に差が生じており、「人手不足」という一つの言葉では現場の実態を捉えにくくなっています。建設需要が続く中、今後は人員数の確保だけでなく、必要な技能を持つ人材を適切に配置することが、建設現場の持続的な施工体制を支える重要な課題となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)