地震後の土砂災害に警戒強化 国交省、警報基準を暫定引き下げ

2026年07月29日 06:31

今回のニュースのポイント

国土交通省と気象庁は、熊本県熊本地方で最大震度7を観測した地震を受け、地盤が緩んでいる可能性があるとして、熊本県、長崎県、鹿児島県の一部市町村で土砂災害警戒情報などの発表基準を通常より引き下げる暫定運用を開始しました。通常より少ない降雨でも警報や注意報が発表されやすくなり、二次災害への警戒を強めています。

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 国土交通省と気象庁は7月28日、同日発生した熊本県熊本地方を震源とする最大震度7の地震を受け、被災地域における土砂災害警戒情報等の発表基準を通常より引き下げる暫定運用を開始したと発表しました。

 強い揺れによって地盤が脆弱になっている可能性が高いため、通常より少ない雨量で土砂災害警戒情報や警報・注意報を発表できるようにし、二次災害を防ぐための警戒態勢を強化します。

 大地震の後は、山腹や斜面に目に見えない亀裂が入るなど、地盤が大幅に緩んでいるケースが少なくありません。

 こうした状態では、平時であれば土砂災害に直結しないような弱い雨や短時間の降雨であっても、一気に崖崩れや土石流を引き起こすリスクが著しく高まります。このため両省庁は当分の間、土砂災害警戒情報や大雨警報(土砂災害)、大雨注意報の発表基準を引き下げ、より少ない雨量で警戒情報や警報を発表する運用へと変更しました。

 暫定基準が適用されるのは、強い揺れを観測した熊本県、長崎県、鹿児島県の対象市町村です。

 熊本県内では、揺れの特に激しかった熊本市や益城町、宇城市、八代市西部など15市町村で基準値を通常の「7割」に引き下げました。また、八代市東部や天草市、山鹿市などの7市町では「8割」としています。県外でも、最大震度5強を観測した長崎県南島原市、鹿児島県薩摩川内市、さつま町、長島町の各自治体で「8割」の暫定基準が適用されます。

 地域住民や現地での復旧活動にとって最も重要なポイントは、「これまでの体感や経験が通用しない」点にあります。

 これまでは避難情報が出なかったような小雨や降水量であっても、今回の暫定基準のもとでは早期に注意報や警報が発表され、自治体からの避難指示等につながる可能性があります。「雨脚が強くないからまだ安全」という自己判断は危険であり、降雨時には気象情報や自治体の広報へいつも以上に敏感になる必要があります。

 国交省と気象庁は、今後の降雨状況と土砂災害の発生実態との関係を継続的に調査し、地盤の安定度に応じて暫定基準を順次見直していく方針です。

 地震直後の混乱が続く中ですが、二次災害を防ぐためにはインフラの復旧作業と並行し、雨に対する警戒基準の変更を地域全体で迅速に共有することが重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)