今回のニュースのポイント
2026年1~7月のフィットネスクラブ事業者の倒産(負債1000万円以上・法的整理)は23件となり、前年同期(19件)を上回るペースで推移しています。年間で過去最多だった2025年の32件を超え、初めて40件に達する可能性があります。倒産した企業のうち設立10年未満が65.2%(15件)を占め、パーソナルジム業態も6件含まれています。 健康志向の高まりを背景に需要は拡大しているものの、24時間・無人型のコンビニジムやパーソナルジムなどの出店増で会員獲得競争が激化しています。値引き競争の常態化に加え、人件費や光熱費、集客コストも上昇しており、今後は運動習慣の定着など利用者の継続につながるサービスを通じて、安定した収益基盤を確保できるかが事業者の課題となります。
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健康志向の高まりを背景にフィットネス市場の拡大が続くなか、事業者間の競争激化とコスト上昇による倒産が増加しています。帝国データバンクの調査によると、2026年1~7月に発生した「フィットネスクラブ」事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は23件に達しました。前年同期の19件を上回る過去最多ペースで推移しており、これまで高水準で推移してきた年間件数(2023年27件、2024年30件、2025年32件)を更新し、初めて40件台に達する可能性が出ています。健康志向の高まりを背景に市場が拡大する一方、新規参入や店舗数の増加による競争激化が各社の経営を圧迫しています。
倒産増加の背景にあるのは、過剰な供給による競合の激化です。近年、24時間営業で無人型の「コンビニジム」や「パーソナルジム」、マシンセラピーなど多様な業態が誕生し、出店が加速しました。特に駅近や都市部では限られた商圏内に店舗が集中するドミナント出店が進んだことでオーバーストア状態に陥り、限られた会員の取り合いが発生しています。
激しい獲得競争のなかで「入会金無料」や「特別割引」といった販促キャンペーンが常態化し、初期の売上確保が難しくなっているほか、正規価格へ移行した段階で会員が離脱する低い定着率も課題となっています。さらに、専門インストラクターの人手不足に伴う人件費上昇や、エネルギー価格高騰による光熱費増加、集客コストの増加も重なり、持続的な経営が困難となるケースも増えています。
こうした淘汰の波は、特に基盤の弱い新興事業者を直撃しています。2026年1〜7月に倒産した企業のうち、業歴「10年未満」が65.2%(15件)と6割超を占めました。また、全体のうち「パーソナルジム業態」の倒産は6件判明しています。パーソナルジムはマンションの一室と最低限の設備で開業できるため参入障壁が低く、トレーナーの独立による新規参入が相次ぎました。しかし、「2~3カ月の短期集中ダイエット」などを売りとするビジネスモデルでは短期間で顧客が離脱しやすく、継続的な収益確保が難しいという構造的な課題を抱えています。
フィットネス業界では供給増とコスト高に伴い、収益構造の抜本的な見直しが迫られています。単なる価格競争に巻き込まれる小規模ジムや短期利用を前提とした従来型パーソナルジムの淘汰が進む一方、月額固定制で「運動習慣の定着」や「体型維持」を長期的に支援するサブスクリプション型のサービスなども広がっています。健康需要を取り込むだけでなく、利用者との長期的な関係を築き、持続可能な収益基盤を確保できるかが今後の各社の明暗を分けるカギとなりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













