今回のニュースのポイント
警察庁が公表した2025年の刑法犯統計によると、警察が確認した刑法犯の認知件数(警察が発生を認知した事件の数)は77万4142件となり、4年連続で増加しました。2000年代初頭のピーク時(2002年:約285万件)や歴史的最少を記録した2021年(約57万件)からの推移を見ると、長期的には大幅な減少水準にあるものの、直近では増加傾向が続いています。内訳では窃盗犯が半数以上を占めるほか、詐欺などを含む知能犯の増加が顕著となっています。一方、不同意性交等や不同意わいせつなどの認知件数においては、2023年の法改正による罪名・構成要件等の変更や、新法施行に留意が必要です。
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警察庁は、2025年における全国の刑法犯の認知・検挙状況を取りまとめた統計資料を公表しました。認知件数は警察が発生を認知した事件の数を指しており、犯罪情勢を多角的に捉える上では、20年以上の長期的な推移と、足元数年間の動向の双方を確認することが重要となります。
日本の刑法犯認知件数は、2002年に過去最多の285万3739件を記録した後、長期的な減少傾向をたどりました。2021年には戦後最少となる56万8104件まで低下した経緯があります。しかし、その後は2022年に60万1331件、2023年に70万3351件、2024年に73万7679件、2025年には77万4142件と、4年連続で増加となりました。人口千人当たりの認知件数で見ても、2021年の4.5件から2025年は6.3件へと上昇しています。2000年代初頭と比較すると総数は低い水準にあります(2002年は人口千人当たり22.4件)。
2025年の認知件数77万4142件を包括罪種別に見ると、最も多いのは「窃盗犯」の51万3931件で、全体の66.4%を占めています。次いで、詐欺や横領、偽造などを含む「知能犯」が7万7473件、暴行や傷害などの「粗暴犯」が6万1850件、賭博やわいせつ等を含む「風俗犯」が2万204件、殺人や強盗などの「凶悪犯」が7287件となっています。特に知能犯は、2021年の3万6663件から2025年には7万7473件へと増えており、罪種による推移の違いが窺えます。
また、個別の罪種・法令上の数値を見ると、2025年の「不同意性交等」の認知件数は4177件、「不同意わいせつ」は7193件でした。不同意わいせつの認知件数は2021年の4283件、2022年の4708件、2023年の6096件、2024年の6992件を経て推移しています。さらに、2023年7月13日に施行された性的姿態撮影等処罰法(撮影罪等)に規定する罪の認知件数は、2023年の2538件から2024年に8436件、2025年には9962件となりました。
ただし、これらの数値を時系列で評価する際には注意が必要です。2023年7月13日の改正刑法等の施行により、従来の「強制性交等」は「不同意性交等」へ、「強制わいせつ」は「不同意わいせつ」へと罪名や構成要件が変更されました。また、性的姿態撮影等処罰法も同日に施行されたものであり、2023年の数値は年途中の施行以降の集計となります。このように法改正により罪名・構成要件等が変更され、新たな法律も施行されているため、改正前後の認知件数を単純に同じ条件で比較することには注意が必要です。
2025年の刑法犯認知件数は77万件を超え、直近4年間は増加が続いているものの、2000年代初頭のピーク時と比べれば低い水準にとどまっています。さらに、その中身も窃盗犯や知能犯、法改正を経た罪種などによって動向は異なっており、「犯罪が増加した」という一側面だけでなく、罪種ごとの動向や統計上の条件も踏まえて見る必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













