米ケンタッキー州に最大6.6GWの原発計画 AP1000を6基、2028年着工目指す

2026年10月22日 12:17

原子力発電所イメージ

大型原子力発電所を表現したイメージ画像。米The Nuclear Companyは、ケンタッキー州ルイス郡で最大6.6GWの原子力発電施設群「Prosperity One」を整備する構想を発表した。AP1000を最大6基導入し、第1段階では2基の設置と2028年の建設開始を目指す。実際の計画地や施設を再現したものではない。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米The Nuclear Companyは2026年10月21日、ケンタッキー州ルイス郡で最大6.6GW規模の大型原子力発電施設群「Prosperity One」構想を発表しました。Westinghouse製AP1000を最大6基導入する構想で、第1段階として2基の設置と2028年の建設開始を目標に掲げます。候補地の利用・開発権利を確保したものの、技術調査や環境評価、連邦政府の許認可などの事業化手続きは今後の課題です。

本文
 米原子力開発企業のThe Nuclear Companyは2026年10月21日、米国ケンタッキー州ルイス郡において、最大6.6ギガワット(6,600メガワット)規模の大型原子力発電施設群「Prosperity One」を整備する構想を発表しました。同社は、米ウェスチングハウス(Westinghouse)製の大型加圧水型原子炉(PWR)「AP1000」を最大6基設置する開発モデルを提示しています。

 計画地は同州ルイス郡のオハイオ川沿いに位置しており、同社は対象用地の利用および開発に関する権利を確保したと説明しています。ただし、用地関連の権利確保は開発に向けた初期段階の準備であり、発電所の建設許可取得や正式な着工決定を意味するものではありません。

 最終的な構想規模は最大6基(6.6ギガワット)とされていますが、事業は段階的に進めていく方針であり、第1段階では、用地調査や事業性評価、必要な許認可などを前提に、AP1000を2基設置する構想です。同社は初期段階のプロジェクトとして、2028年に建設を開始することを目標に掲げています。

 導入が想定されているAP1000は、1基あたり1,000メガワット(1ギガワット)級の出力を持つ大型の商業用加圧水型原子炉です。受動的安全システムを特徴とし、米国や中国などで商業運転実績があります。なお、AP1000は出力数百メガワットクラスの小型モジュール炉(SMR)とは異なる従来の大型原子炉技術です。

 同社は2028年の建設開始目標を提示しているものの、実際の事業化に向けては多様な課題が残されています。具体的には、詳細な技術調査や環境影響評価の実施、送電網(グリッド)への接続協議、そして米国原子力規制委員会(NRC)をはじめとする連邦・州当局からの認可・免許取得手続きなどが今後の検討・評価対象となります。現時点でNRCからの建設許可等は取得されていません。

 北米では近年の電力需要の増加や脱炭素化の流れを受け、長期にわたり大量の電力を供給できるベースロード電源の一つとしての原子力発電への関心が再評価されています。今回の構想も大規模な電力供給基盤の整備に向けた動きの一環として位置付けられますが、本計画における具体的な電力供給先や個別企業との売電契約は明らかにされていません。

 また、最大6.6ギガワットという大規模な計画であるものの、総投資額、具体的な資金調達の確定状況、実際の商業運転開始時期などの財務・工程に関する詳細は公表されていません。大型原発の建設には多額の設備投資と長期的な工期が必要となるため、これらの詳細な事業計画の提示が今後の焦点となります。

 今後は、2028年の着工目標に向けた環境評価や技術調査の進展、NRCへの許認可申請準備、送電網接続の調整、さらには資金調達体制の構築が焦点となります。本発表は、具体的な候補地とともに大型原子炉の複数基設置構想が提示された段階であり、企業側の構想から実際の認可・建設手続きへ進めるかが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)