企業物価7.6%上昇でも足元は下落 非鉄43%高の一方、輸入エネルギーは前月比6.1%低下

2026年09月11日 11:49

画・原油価格。OPECプラスは減産幅縮小(増産)も、需要旺盛で高値持続の見込み。

港湾のエネルギー関連施設。8月の輸入物価では、石油・石炭・天然ガスが円ベースで前月比6.1%下落した一方、前年同月比では42.2%上昇した(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

日本銀行が11日に発表した8月の企業物価指数では、国内企業物価が前年同月比7.6%上昇した一方、前月比では0.2%下落しました。前年との比較では価格水準が大幅に高い状態が続くものの、7月から8月にかけては総平均でわずかに下落へ転じた形です。中身を分解すると、非鉄金属が前年同月比で43.3%上昇する一方、足元の前月比では農林水産物が2.3%下落、輸入物価の石油・石炭・天然ガスが円ベースで6.1%低下しました。「7.6%上昇」という総平均の内側で、品目や比較期間ごとの動きの違いが示されています。

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 日本銀行が11日に発表した2026年8月の企業物価指数(速報、2020年平均=100)によると、国内企業物価指数は136.1となり、前年同月比で7.6%上昇しました。一方で、直近前月(7月)との比較である前月比では0.2%の下落となりました。

 前年同月比と前月比とで方向が異なるのは、指数の比較時点が違うためです。前年8月との比較では企業間で取引されるモノの価格水準が引き続き大きく上回っている一方、7月から8月にかけての1カ月間では総平均がわずかに低下したことを意味します。前月比は7月の0.4%上昇からマイナスへ転じ、前年同月比の伸び率も7月の7.7%から0.1ポイント縮小しました。季節変動の大きい夏季電力割増料金の影響を除いた指数においても、前年同月比7.7%上昇に対し前月比は0.1%下落となっています。

 前年同月比7.6%上昇の内訳を見ると、類別ごとに大きな開きが存在します。主な類別では非鉄金属が前年同月比で43.3%上昇と突出した伸びを示し、指数自体も261.1と2020年平均の2.6倍を超える水準に達しています。次いで情報通信機器(19.5%上昇)、石油・石炭製品(14.7%上昇)、化学製品(13.9%上昇)、プラスチック製品(11.2%上昇)、電力・都市ガス・水道(8.0%上昇)、飲食料品(4.3%上昇)などが前年同月を上回って推移しています。

 一方で、8月単月(前月比)の動きに視点を変えると、低下を示す類別が目立ちます。農林水産物が前月比で2.3%下落したほか、電力・都市ガス・水道が2.2%下落、石油・石炭製品が1.7%下落、電気機器が0.6%下落となりました。前月比マイナスへの寄与度としては、電力・都市ガス・水道がマイナス0.14ポイント、農林水産物と石油・石炭製品がそれぞれマイナス0.12ポイントとなっており、具体的な品目では都市ガス、事業用電力、精米、豚肉、B重油・C重油、ジェット燃料油などが引き下げ要因となりました。反対に、非鉄金属(前月比1.9%上昇)、プラスチック製品(同1.0%上昇)、情報通信機器(同0.8%上昇)などは前月比でも上昇を維持しています。

 貿易物価においては、輸入物価指数(円ベース)が前月比で3.0%下落となり、7月の1.2%上昇からマイナスへと転じました。特に石油・石炭・天然ガスが円ベースで前月比6.1%下落しました。契約通貨ベースで見ても石油・石炭・天然ガスは前月比3.7%下落しており、輸入物価全体の前月比(1.0%下落)に対してマイナス1.18ポイントの押し下げ寄与となりました。主な下落品目には原油、ナフサ、液化石油ガスが含まれます。ただし、この輸入石油・石炭・天然ガスも前年同月比でみれば円ベースで42.2%上昇しており、前年比での大幅高と足元の前月比での下落が同時に発生しています。

 輸入物価は契約通貨ベースでも前月比1.0%下落しましたが、円ベースでは3.0%下落し、下落幅が大きくなりました。日銀資料の参考値では、8月の為替相場(ドル/円)は前月比2.4%の円高方向となっています。

 8月の企業物価は、前年から積み上がった前年同月比7.6%という高い上昇率のなかで、足元の前月比ではエネルギー関連や農林水産物を中心に下落へ向かう品目が交錯する構造となりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)