東邦チタニウム、AIデータセンター向けMLCC材料を倍増 27年から新設備稼働

2026年09月14日 08:09

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MLCC(積層セラミックコンデンサ)と金属粉、データセンターを表現したイメージ。東邦チタニウムは茅ヶ崎工場に新設備を導入し、MLCCの内部電極材料に使われる超微粉ニッケルのうち、小粒径品の生産能力を現在の2倍に引き上げる。新設備は2027年から順次稼働する予定。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

JX金属グループの東邦チタニウム株式会社は9月10日、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極材料として使用される超微粉ニッケルのうち、「小粒径品」の生産能力を増強すると発表しました。同社の茅ヶ崎工場(神奈川県茅ヶ崎市)に新設備を導入し、2027年から順次稼働を開始させる計画です。これにより、同工場における小粒径品の生産能力を現在の2倍に引き上げます。背景について同社は、生成AIの普及に伴うAIデータセンターの建設拡大や、それに伴う高性能サーバー・周辺機器向けハイエンドMLCCの需要増加を見込んでいるためと説明しています。

本文
 JX金属株式会社のグループ企業である東邦チタニウム株式会社は9月10日、MLCC(積層セラミックコンデンサ)の内部電極用材料として展開している「超微粉ニッケル」について、小粒径品の生産能力を増強するための設備投資を行うと発表しました。

 増強の対象となるのは、ニッケル製品全体や超微粉ニッケル全体の生産能力ではなく、内部電極のさらなる微細化に対応する「小粒径品」の生産ラインです。同社は主力製造拠点の一つである茅ヶ崎工場(神奈川県茅ヶ崎市)へ新たな製造設備を導入し、2027年から順次稼働を開始させる予定です。この新設備の稼働により、同工場における小粒径品の生産能力は現在の2倍へと拡大します。なお、今回の発表において、設備投資の具体的金額や重量(トン)ベースでの生産能力、増強後の業績影響額などは開示されていません。

 MLCCは、多数の誘電体層と金属の電極層を交互に積み重ねた構造を持つ電子部品であり、スマートフォンや自動車、各種産業機器の電子回路に広く組み込まれています。東邦チタニウムが供給する超微粉ニッケルは、このMLCCの内部電極を構成する主要材料として使用されます。同社によると、高性能サーバー等に搭載されるハイエンドMLCCでは、部品自体の小型化・大容量化に加え、高い信頼性の確保が求められるため、従来以上に粒径が細かく均一なニッケル粉末への要求が高まっているとしています。

 東邦チタニウムは現在、チタン製錬で培った独自の製造技術を応用し、神奈川県の茅ヶ崎工場および福岡県北九州市の若松工場の2拠点で超微粉ニッケルを製造しています。同社は、粒径分布の狭い高品質なニッケル粉末の製造技術を強みとして展開しており、今回の設備増強は茅ヶ崎工場を中心とした小粒径品の供給体制強化に位置づけられます。同社は今後の市場動向に応じ、さらなる供給能力の段階的な拡大も検討する方針です。

 今回の生産能力増強の理由について同社は、生成AIの急速な拡大に伴い世界各地でAIデータセンターの建設が進み、搭載される高性能サーバーや通信・周辺機器に必要な電子部品の需要が増加している動向を挙げています。同社はハイエンドMLCCの需要拡大を見込み、小粒径品の生産能力を増強するとしています。

 JX金属グループは、AIデータセンターや先端半導体関連の材料として、MLCC用超微粉ニッケルのほか、半導体用スパッタリングターゲットやインジウムリン(InP)基板などを展開しています。東邦チタニウムは今回の能力増強を通じ、需要拡大が見込まれるハイエンドMLCC市場への安定供給能力をさらに強化するとしています。

 東邦チタニウムが増強する超微粉ニッケルは、ハイエンドMLCCの内部電極を構成する材料です。同社は茅ヶ崎工場の新設備を2027年から順次稼働させ、小粒径品の生産能力を現在の2倍に引き上げます。その後も需要動向に応じ、供給能力を段階的に拡大する方針を示しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)