23カ国、子ども向けAIの「事前承認」視野 2026~27年ロードマップ、モデル開放も要求

2026年09月23日 09:16

会話AI

「AI時代の子どもの権利・保護連合」は、子どもが利用する、あるいは影響を受けるAIについて、将来的な市場投入前の事前承認を視野に、科学的根拠の蓄積や共通評価手法の開発を進める。独立研究者によるAIモデル・データへのアクセスなど、自主的な取り組みの強化も求めている。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

「AI時代の子どもの権利・保護連合」は9月22日、ニューヨークでの国連総会に合わせ、2026~27年のロードマップを公表しました。連合の参加国は7月発足時に支持した17カ国から23カ国(および国連8機関)へ拡大。ロードマップでは、子ども向けAIシステムについて将来的に市場投入前の事前承認プロセス(pre-authorisation processes)の対象とすることを視野に、共通の評価手法や科学的根拠の整備を進める方針を掲げました。また、独立研究者へのAIモデルやデータのアクセス提供など企業側の自主的な対応も求めています。

本文
 フランス、スペイン、ケニア、オーストラリアの4カ国が共同議長を務める「AI時代の子どもの権利・保護連合」は9月22日、2026~27年に向けた国際的な行動指針となるロードマップを発表しました。同連合は2026年7月7日にフランス、スペイン、ケニアが立ち上げ、その後オーストラリアが共同議長に加わった枠組みです。発足時には17カ国が支持していましたが、現在は23カ国とUNICEFやITUなど国連の8機関・組織が参画しています。

 今回示されたロードマップの焦点は、子どもが利用する、あるいは影響を受けるAIシステムについて、将来的な市場投入前の事前承認制度(pre-authorisation processes)の導入を可能にするための基盤づくりです。事前承認を可能にするため、AIが子どもに及ぼす影響について科学的根拠を蓄積し、共通の評価手法を開発していく方針が示されました。あわせて、公的部門、学術界、民間部門の研究センターによるグローバルネットワークの構築も進めます。

 制度的枠組みの構築と並行して、自主的な取り組みの強化も要請されています。連合は制度整備までの対応として、独立研究者がAI開発企業のモデルやデータへアクセスできるようにすることを求めています。また、企業や財団などに対し、AIが子どもに及ぼす影響についての独立研究への資金提供や、独立評価のためのモデルへのアクセスを求めています。あわせて、AI生成の児童性的虐待コンテンツ(CSAM)対策、ディープフェイク対策、設計段階からのプライバシー確保(バイ・デザイン)、AIリテラシー向上などが具体的な作業分野として挙げられました。

 本取り組みには、各国の国内政策の背景やアプローチが反映されています。フランスやオーストラリアが自国の青少年を対象としたSNS利用規制に言及する一方、ケニアは教育や医療などへの技術アクセスの拡大と安全性の両立を重視しており、技術利用の制限にとどまらず、設計段階からの安全性確保(セーフティ・バイ・デザイン)によってアクセスを担保する考えが示されています。

 今後に向けた具体的な工程として、連合は11月10日~11日に開催されるパリ平和フォーラムにおいて、政府や企業等による最初の「自主的約束(voluntary commitments)」を提示する予定です。単なる指針の公表にとどまらず、独立研究や国際的な研究ネットワークの構築、共通評価手法の開発を進め、将来的な事前承認を可能にするための科学的根拠を整備していく方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)