企業の設備投資は7.6%増計画 日銀短観から見る人手不足と金利上昇

2026年10月02日 17:39

日銀5

2026年度の企業の設備投資計画は全規模全産業で前年度比7.6%増。人手不足感が続く一方、借入金利の上昇を見込む企業も多い。日本銀行本店(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

日本銀行が公表した2026年9月調査の全国企業短期経済観測調査(短観)では、業況感にとどまらず、企業の設備投資計画や雇用人員感、借入金利に対する判断など幅広い実態が示されました。2026年度の設備投資額(含む土地投資額)は全規模全産業で前年度比7.6%増の計画となり、増加計画が維持されています。土地投資を除き、ソフトウェアや研究開発を含む設備投資額でも前年比9.3%増を計画しています。一方で、雇用人員判断DIは全規模全産業でマイナス38ポイント(先行きマイナス41ポイント)と不足感が強まったほか、借入金利水準判断DIも「上昇」超が68ポイントとなり、6月調査の61ポイントから拡大しました。先行きは71ポイントとなっています。設備投資計画が増加する一方で、人員不足感や金利上昇に対する企業側の認識も並存する状況となっています。

本文
 日本銀行が10月1日に公表した2026年9月調査の全国企業短期経済観測調査(短観)は、業況判断DIの推移にとどまらず、企業の設備投資計画や雇用の過不足感、借入金利の動向など、企業活動を取り巻く多様なデータを提示しました。

 2026年度の設備投資額(含む土地投資額)は、全規模全産業で前年度比7.6%増の計画となりました。規模別では大企業が11.3%増、中堅企業が7.3%増と増加を見込む一方、中小企業は4.7%減となっています。また、土地投資を除き、ソフトウェアおよび研究開発を含む設備投資額では全規模全産業で9.3%増の計画です。内訳を見ると、ソフトウェア投資額が前年度比10.3%増、研究開発投資額が5.0%増となっており、ソフトウェアや研究開発の分野でも増額計画が立てられています。

 収益計画を見ると、2026年度の全規模全産業の売上高計画は前年度比4.1%増、経常利益計画は2.2%増となっています。大企業の全産業では売上高が5.7%増、経常利益が4.3%増(うち製造業は13.6%増)の計画です。期別で見ると、全規模全産業の経常利益は2026年度上期が前年同期比16.9%増、下期が1.9%増の計画となっています。

 設備投資計画が増加する一方で、企業側が認識する経営環境の課題も示されています。人員の過不足を示す雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)は、全規模全産業の最近値でマイナス38ポイントとなり、6月調査のマイナス37ポイントから不足感が強まりました。先行きについてもマイナス41ポイントと見込まれています。また、生産・営業用設備判断DI(「過剰」-「不足」)は全規模全産業の最近値がマイナス4ポイント、先行きがマイナス6ポイントとなり、設備の不足感が続いています。

 借入金利に対する認識も変化しています。借入金利水準判断DI(「上昇」-「低下」)は全規模合計の最近値で68ポイントとなり、6月調査の61ポイントから7ポイント上昇しました。先行きについても71ポイントと、金利の上昇を見込む企業が低下を見込む企業を大幅に上回っています。大企業の最近値が65ポイント、中堅企業が67ポイントに対し、中小企業では70ポイント(先行き74ポイント)となっています。価格面では、大企業製造業の販売価格判断DIが40ポイントに対し、仕入価格判断DIが59ポイントとなりました。中小企業製造業では仕入価格判断DIが71ポイントとなっており、仕入価格の上昇判断が販売価格を上回る水準で推移しています。

 今回の短観からは、2026年度の設備投資計画が増加を維持する一方で、人手不足感や設備不足感が続き、借入金利の上昇を見込む企業も多いことが示されました。企業の投資計画と、それを取り巻く雇用や金融などの経営環境を併せて見ることができる内容となっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)