米DOE、メタンハイドレート研究に最大4,980万ドル アラスカで日本と協力

2026年10月15日 12:20

メタンハイドレードイメージ

メタンハイドレートを地層中の氷状物質として表現したイメージ。米エネルギー省は、アラスカでの生産技術研究に向けて最大4,980万ドルの契約を発表しました(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米エネルギー省(DOE)は2026年10月14日、アラスカ州でのメタンハイドレート生産研究に向けて5年間で最大4,980万ドルの契約を発表しました。研究は日本の経済産業省およびエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との協力のもとで行われます。研究サイトの維持から着手し、条件付きの追加生産試験を通じて将来の天然ガス資源としての技術的可能性を検証します。

本文
 米エネルギー省(DOE)は2026年10月14日、次世代の天然ガス資源として期待されるメタンハイドレートの生産研究を進めるため、ASRC Consulting and Environmental Services, LLC(ACES)に対し、5年間で最大4,980万ドルの契約を授与したと発表しました。今回の研究プロジェクトは、日本の経済産業省および独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との国際協力のもとで実施されます。

 メタンハイドレートは、水分子が作る結晶構造の中に天然ガスの主成分であるメタンが取り込まれた氷状の物質です。低温かつ高圧の環境下で安定して存在し、世界各地の海域や凍土層に広く埋蔵されていることから、将来のエネルギー資源として利活用のための研究開発が進められています。

 研究の舞台となるのは、米アラスカ州北部に位置するノーススロープのプルドーベイ油田地域です。この地域にはメタンハイドレート研究専用の試験サイトや井戸設備が整備されており、これまでも日米共同による各種の陸上生産試験やフィールド調査が重ねられてきました。

 発表によると、今回の契約における最初の段階(第1段階)では、既存の研究サイトおよび関連設備を良好な状態で維持・管理するとともに、今後の技術検証に向けた詳細な試験計画の策定を推進します。現段階では直ちに掘削や本格的なガス生産を開始するわけではなく、研究基盤を継続的に運用できる環境を整えることが主眼となります。

 続く第2段階では、DOEが契約上のオプションを行使した場合に限り、ACESが現地に仮設の生産設備を整備し、メタンハイドレート層からメタンを取り出す追加の生産試験を実施する計画です。この追加試験の実施はあくまでDOEの決定に依存する条件付きの取り組みであり、確定事項ではありません。

 研究の主な目的は、メタンハイドレートから安定してガスを抽出する技術を検証し、将来的な商業利用の可能性を精度高く評価することにあります。追加試験では、メタンハイドレート層から商業規模に相当する生産速度を実現できるかを検証します。ただし、これは生産技術上の可能性を調べるものであり、商業生産の開始や経済的な採算性が確認されたわけではありません。

 今回の研究には、日本の経済産業省とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が協力しています。日本でもメタンハイドレートは将来の天然ガス資源の一つとして研究されており、アラスカでの生産技術の検証は日米双方にとって研究上の意義があります。ただし、今回の契約について、日本側の新たな資金負担額や商業生産に向けた具体的な計画が発表されたわけではありません。

 今回の発表は、米国でただちにメタンハイドレートの商業開発や供給拡大が始まることを意味するものではありません。生産手法の確立、安定的な生産速度の維持、環境負荷の低減といった数々の技術的課題を克服するための検証プロセスの一環に位置づけられます。

 今回の契約は商業生産の開始や新たなガス田開発を決定するものではありません。既存の研究基盤を維持し、DOEがオプションを行使した場合の追加生産試験を通じて、将来の天然ガス資源として利用できるかを検証する取り組みです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)