建設受注8.6%増、設備工事は24カ月連続増 需要の強さはどこにあるのか

2026年10月19日 06:19

画・建設工事受注、民間工事14%増加。民需中心で好調。~国交省

大型クレーンが並ぶ都市部の建設現場。国土交通省によると、2026年8月の建設工事受注高は前年同月比8.6%増の9兆9,578億円となった。設備工事業の受注高は同19.7%増と、24カ月連続で増加した。(写真は資料画像)

今回のニュースのポイント

国土交通省が公表した2026年8月の「建設工事受注動態統計調査報告」によると、建設工事受注高合計は9兆9,578億円(前年同月比8.6%増)となり、5カ月連続で増加しました。業種別では、設備工事業が2兆9,764億円(同19.7%増)に達し、前年同月比で24カ月連続の増加を記録して全体を牽引しています。一方で、1件5億円以上の民間大型建築工事が前年同月比9.3%減となるなど、発注者や工事種類によって異なる動きもみられます。

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 2026年10月13日に国土交通省が公表した「建設工事受注動態統計調査報告(令和8年8月分)」では、建設業界における受注高全体の拡大傾向と、その内部で進行する業種別・工事種類別の需要の濃淡があらわれました。

 8月の建設工事受注高合計(元請受注高と下請受注高の合算)は、前年同月比8.6%増の9兆9,578億円となり、5カ月連続で前年実績を上回りました。この受注高合計には、2次下請以下を含む下請受注高(3兆4,681億円、同20.2%増)が含まれており、元請受注高(6兆4,897億円、同3.3%増)と重複して計上されている部分が存在します。そのため、この9兆9,578億円という金額は、同月に新たに発生した建設投資額や実際の工事施工額そのものを直接示すものではありません。

 今回の統計において需要の力強さが際立ったのが、建物内の配管や空調、電気、通信などを担う設備工事業です。設備工事業の受注高(元・下請合計)は前年同月比19.7%増の2兆9,764億円を記録し、前年同月比で24カ月(2年間)連続の増加となりました。同業種の元請受注高に限っても1兆6,881億円(同28.7%増)となり、21カ月連続で前年同月を大きく上回っています。

 8月の設備工事業の元請受注高を発注者別にみると、民間等と公共機関の双方で前年同月を上回りました。元請における設備工事業の受注額(1兆6,881億円)の内訳は、民間等からの受注が1兆3,358億円(前年同月比31.3%増)、公共機関からの受注が3,524億円(同19.8%増)でした。民間における工場や各種事業施設の整備、さらにインフラ関連の設備導入など、多角的な需要が背景にあることがうかがえます。

 一方で、工事の種類や発注者の分類によって受注動向には相違がみられます。1件5億円以上の民間等からの建築工事・建築設備工事に限ると、受注工事額は1兆5,593億円で前年同月比9.3%減少しました。この大型民間建築工事を発注業種別でみると、製造業(2,885億円、同14.5%増)や電気・ガス・熱供給・水道業(1,456億円、同924.3%増)が増加した一方で、不動産業(3,946億円、同49.2%減)が前年同期を大きく下回るなど、分野による明確な違いが存在します。

 また、民間等の土木工事および機械装置等工事(1件500万円以上)の受注額は1兆118億円(前年同月比25.0%増)となりました。発注者別では製造業が3,790億円(同30.3%増)、電気・ガス・熱供給・水道業が2,675億円(同28.4%増)と増加しています。このうち機械装置等工事は、それぞれ3,022億円、1,144億円でした。

 公共機関からの受注(1件500万円以上の工事)については、総額で1兆6,622億円(前年同月比3.7%増)となり、4カ月連続で増加しました。国の機関(4,503億円、同11.2%増)や地方の機関(1兆2,119億円、同1.2%増)からの発注がともに前年同月を上回り、道路工事(4,023億円)や教育・病院関係(2,394億円)などが受注額の上位を占めています。

 建設工事受注動態統計は、建設業者が受注した工事の動向を示す統計です。受注高の増加が、直ちに当月の着工増加や完成工事高の増加を意味するわけではありません。受注から実際の施工、完成に至るまでには時間差が存在し、資材価格や人件費の動向、現場の人手不足などが工事の進捗や企業収益に与える影響については、今後の施工状況を精査していく必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)