企業の16.2%が情報漏洩を経験 大企業は30.2%、14.8%は発生の有無を把握できず

2026年10月19日 13:49

サーバー攻撃

企業の情報漏洩リスクを表現したイメージ。帝国データバンクの1,328社調査では、情報漏洩またはその可能性がある事案を経験した企業が16.2%に上り、大企業では30.2%だった。メール誤送信などの人為ミスや外部からのサイバー攻撃が報告されている。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

帝国データバンクが公表した企業アンケート(有効回答1,328社)によると、情報漏洩またはその可能性がある事案が「発生したことがある」と答えた企業は16.2%でした。大企業では30.2%と3割に達した一方、発生の有無が「分からない」と答えた企業も14.8%存在しました。メール誤送信などの人為ミスからサイバー攻撃まで多様な要因が挙がる中、リスク防止だけでなく異変を早期に検知・把握する管理体制の整備が課題となっています。

本文
 サイバー攻撃の高度化や日常業務におけるうっかりミスなど、企業が直面する情報管理のリスクが浮き彫りとなっています。株式会社帝国データバンクが10月19日に発表した「情報漏洩に関する企業アンケート」によると、過去に情報漏洩または漏洩の可能性がある事案を経験した企業は16.2%に上り、また、発生の有無について「分からない」と回答した企業も14.8%ありました。

 本調査は、全国の企業1,328社(大企業159社、中小企業1,169社〈うち小規模企業461社〉)を対象に、2026年10月9日から14日にかけてインターネット上で実施されたものです。情報漏洩の発生状況について、「発生したことがある」と答えた企業は全回答企業の16.2%で、直近1年以内に発生した企業は全回答企業の5.5%(1カ月以内1.3%、3カ月以内1.1%、半年以内1.4%、1年以内1.7%)でした。一方、「全く発生したことがない」は69.1%、「分からない」は14.8%となりました。

 発生経験を企業規模別にみると大きな差が表れています。漏洩またはその可能性がある事案を経験した企業の割合は、大企業で30.2%に達し、中小企業の14.3%(うち小規模企業10.8%)や全体平均を大きく上回りました。直近1年以内に限った発生割合も、大企業(8.8%)が中小企業(5.0%)より高い数値を示しています。調査機関ではこの背景として、大企業の方が取り扱う情報量やシステム数、アクセスする従業員や取引先の数が多くリスクに晒されやすい点に加え、不正アクセスや異常を検知・把握するセキュリティ体制が整っていることで事象が表面化しやすい側面があると分析しています。

 発生要因については、多角的な事例が報告されています。回答企業からは、メール送信先の誤りやCCでの不適切配信、ファイル添付ミスといった人為的なミスが挙がったほか、他社担当者になりすました不審なメールに情報を送付してしまったケースや、外部からのサイバー攻撃を受けた痕跡が判明した事例などが寄せられました。日常的な業務オペレーションの点検と、外部脅威への技術的対策の双方を維持することが求められています。

 また、発生有無について「分からない」とした企業が14.8%に上ったことも注目されます。小規模企業からは、データ処理に関する専門家がいないため、情報漏洩があったかどうか分からないとの声も寄せられました。さらに中小企業からは、費用面や人員面で十分なセキュリティ投資が難しい一方、取引先である大手企業から厳しい対策要求を受け、協力や支援を望む声も上がっています。

 サプライチェーン全体でデータ連携が進む中、セキュリティ対策は単一企業の予防措置にとどまらず、社内での情報共有や異変の早期発見、万が一の際の迅速な初動対応を含めた組織的な経営課題として位置づける必要性が増しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)