円建てレポ・証券貸借の資金調達残高、9月末は230.8兆円 前月比8.9兆円減

2026年10月22日 12:28

金融トレーディングデスクイメージ

金融機関のトレーディングデスクを表現した画像。日本銀行が2026年10月22日に公表したFSBレポ統計によると、9月末の円建て現先取引・証券貸借取引の資金調達側残高は230兆7,926億円となり、前月末から8兆9,035億円減少した。国内の銀行とディーラー・ブローカーでは、残高の増減に違いがみられた。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

日本銀行が2026年10月22日に公表した9月分のFSBレポ統計によると、円建て現先取引と証券貸借取引を合わせた資金調達側の月末残高は230兆7,926億円で、前月末から8兆9,035億円(約3.7%)減少しました。資金運用側は212兆6,202億円でした。国内ディーラー・ブローカーの資金調達側残高が減る一方、資金運用側では非居住者等向けが増加しました。外貨建ての資金調達側残高も減少しています。なお、月末残高と日次新規約定額は異なる指標です。

本文
 日本銀行金融市場局は2026年10月22日、2026年9月中における金融機関等のレポ取引および証券貸借取引の動向をまとめた「FSBレポ統計の日本分集計結果」を公表しました。本統計は、短期金融市場や国債市場における資金調達・証券貸借のストックおよびフローデータを取りまとめた指標です。

 統計の核となる円建て取引(現先取引および現金担保付証券貸借取引の合計)において、資金調達側(証券の出し手)の2026年9月末の残高は230兆7,926億円となりました。前月末の239兆6,961億円から8兆9,035億円(前月比約3.7%減)の減少となりました。一方で、資金運用側(証券の受け手)の9月末残高は212兆6,202億円となり、前月末の213兆3,971億円から7,769億円(同約0.4%減)と微減にとどまっています。

 資金調達側の月末残高の内訳を取引相手別に見ると、国内居住者(本邦居住者)全体の残高は158兆2,352億円となり、前月末から6兆5,468億円減少しました。このうち、銀行の残高は36兆5,602億円と前月末比で6,597億円増加したものの、証券会社などの国内ディーラー・ブローカーの残高が113兆8,823億円となり、前月末比で5兆8,080億円減少しました。本邦居住者の資金調達側残高の減少は、主に国内ディーラー・ブローカーの残高縮小が要因となっています。非居住者等からの資金調達側残高も72兆5,574億円と前月末比で2兆3,567億円減少しました。

 一方、資金運用側の取引相手別内訳では対照的な動きが見られます。本邦居住者向けの資金運用残高が171兆1,428億円と前月末比7兆1,071億円減少したのに対し、非居住者等向けの資金運用残高は41兆4,774億円となり、前月末の35兆1,472億円から6兆3,302億円増加しました。これは、円建てレポ・証券貸借市場における運用先の構成において、海外の取引相手向けの比率が高まったことを示しています。

 日次フローデータである円建て現先取引の新規約定額を見ると、9月中では9月24日が最大となり、当日の新規約定額は82兆8,325億円(うちオーバーナイト取引が64兆2,686億円、取引件数7,620件)を記録しました。なお、この数値は資金運用サイド(証券の受け手)の当日の新規約定額であり、現先取引と証券貸借取引を合計した月末残高とは集計対象や性質が異なります。

 外貨を現金通貨とする外貨建て取引(現先取引および証券貸借取引の合計・円換算ベース)では、資金調達側の9月末残高が49兆3,778億円となり、前月末(50兆9,907億円)比で1兆6,129億円減少しました。資金運用側も18兆4,449億円と前月末比で9,004億円減少しています。外貨建ての資金調達側を通貨別で見ると、米ドル建てが37兆7,954億円(前月末比3兆3,376億円減)と減少したのに対し、ユーロ建ては9兆6,284億円(前月末比1兆7,999億円増)と拡大しており、通貨によって異なるトレンドを示しています。なお、外貨建て取引の残高は円換算値であり、前月との比較には為替相場の変動が影響する可能性があります。

 レポ取引は証券を担保として短期の資金を貸借する市場であり、証券貸借取引も現金担保を伴うことで実質的な短期資金調達・運用機能を担います。市場の金利指標となる月末オーバーナイトのレポレート(残高加重平均)は、GC(銘柄後決め含む一般担保)レポで1.15%、SC(特定銘柄指定)レポで1.19%となりました。

 2026年9月末の円建てレポ関連市場は、全体の資金調達残高が前月末から縮小する中で、銀行の調達増とディーラーの調達減、さらには運用側における海外向け残高の増加といったポジションの構成変化が確認されました。短期金融市場における資金・証券の流動性動向や各主体の運用スタンスを把握するうえで、こうした残高構造の推移が今後も注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)