今回のニュースのポイント
消費者庁は2026年10月23日の官民協議会で、取引デジタルプラットフォームにおける消費者保護の取組状況を発表しました。2025年秋に実施された33社対象の調査(28社回答)によると、取引DPF消費者保護法に基づき自社や団体のサイトで取組内容を開示している事業者は17社でした。トラブル防止策の実施だけでなく、消費者が合理的に選択できるよう「対策の内容を分かりやすく開示しているか」という視点の重要性が浮き彫りになっています。
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消費者庁は2026年10月23日、第9回「取引デジタルプラットフォーム官民協議会」において、ネット通販やフリマアプリなどを運営するプラットフォーム(DPF)事業者の消費者保護に関する取組状況をまとめた調査結果を提示しました。この調査は、株式会社リベルタス・コンサルティングが2025年9月16日から11月28日にかけて33社に回答を依頼し、28社から回答を得たものです。調査結果によると、自社または加盟する事業者団体のウェブサイトにおいて、消費者保護に向けた取組内容を開示していると分類された事業者は17社でした。安全対策を実施しているかだけでなく、その内容を利用者が確認できる形で公開しているかという「見せる取り組み」の重要性が示されています。
背景にある「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(取引DPF消費者保護法)」は、ネット上の取引の場を提供する事業者に対し、通信販売に係る取引の適正化と紛争解決の促進に向けた一定の措置を講じるよう求めています。法律第3条第1項が定める主な努力義務は、①消費者が販売業者等と円滑に連絡できるようにするための措置、②消費者から苦情を受けた場合に販売条件等の表示の適正を確保する措置、③アカウント登録時などに販売業者等を特定するための情報提供を求める措置、の3点です。さらに同条第2項では、講じた措置の概要や実施状況などを開示するよう努めることを定めています。
今回の調査では、回答を寄せた28社のうち17社がウェブサイト上で取組を開示していると分類されました。さらにその内訳を見ると、11社は法律に基づく取組の開示であることを明記した専用ページなどを設置していたのに対し、6社は「安全・安心に向けた取組」といった名称のページで情報を掲載していました。一方、17社に含まれなかった残る11社のうち4社は、利用規約やヘルプページの内容をもって「開示している」と回答しています。消費者庁の事務局資料では、単に利用規約を示すにとどまらず、実際に実施している具体的な取組内容を明確に記載することが、消費者による合理的なプラットフォーム選択に資すると指摘しています。
調査の対象となったのは、物販系9社、オークション・フリマ5社、予約サービス8社、クラウドファンディング5社、役務提供系6社の計33社です。市場にはAmazon.co.jpや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手の物販モールのほか、メルカリやYahoo!フリマなどのフリマ・オークション、さらには旅行・飲食の予約サービス、クラウドファンディング、スキルシェアなど多種多様なサービスが含まれています。取引形態や取り扱う商品・サービスの特性に応じて発生し得るトラブルのリスクは異なるため、それぞれの事業形態に適した消費者保護措置と、その透明性の確保が求められています。
事業者団体も自主的な取組を紹介しています。オンラインマーケットプレイス協議会(JOMC)の資料では、会員各社の取組を協議会のウェブサイトで紹介し、各マーケットプレイスから関連情報へアクセスできるようにする開示方法が示されています。また、関係団体の資料では、販売業者の登録時に公的身分証明書などの提出を求める取組例も紹介されています。これらは各団体が説明する事例であり、すべての事業者が同じ措置を実施していることを示すものではありません。
電子商取引(EC)市場が拡大を続ける中、利用者がプラットフォームを選ぶ基準は、商品の品揃えや価格の安さ、配送スピードだけに留まらなくなりつつあります。不審な販売者の排除やトラブル発生時の連絡手段、苦情への対応体制がどのように整えられているかを知ることは、利用者が安心して取引を行うための不可欠な要素です。トラブルを未然に防ぎ、万が一の際にも適切に対処できる仕組みを構築することに加え、その具体策をオープンな形で開示・可視化していく姿勢こそが、プラットフォームの信頼性と中長期的な競争力を左右する鍵となっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













