今回のニュースのポイント
通信機器大手ノキアが10月22日に発表した2026年第3四半期決算では、AI・クラウド顧客向け売上高が前年同期比123%増、新規受注も118%増(15億ユーロ)と大幅に伸長しました。AIデータセンターの拡大が光通信やIPネットワークの需要を急押し上げており、同社は2027年に光・IP事業で25~30%の成長を見込んでいます。供給網の制約に対応するため光通信の製造能力拡大を進めるとともに、部品供給確保に向け運転資本を4億ユーロ追加投入する計画を示しました。
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フィンランドの通信機器大手ノキアが10月22日に発表した2026年第3四半期決算において、AI(人工知能)・クラウド顧客向け売上高が前年同期比123%増と2倍以上に急増しました。同分野の受注も前年同期比118%増と倍増し、当四半期だけで15億ユーロの新規受注を獲得しています。同社の第3四半期におけるグループ全体売上高は前年同期比10%増(為替影響を除く実質ベースで9%増)の51億5,400万ユーロに達しており、AIインフラ需要の急拡大が同社のネットワーク機器事業全体の成長を力強くけん引する構図が一段と鮮明になりました。
事業部門別の実績を見ると、ネットワークインフラ部門の売上高が前年同期比17%増(実質15%増)の21億5,800万ユーロに伸長しました。同部門内では、特にIPネットワークが前年同期比43%増、光ネットワークが18%増と顕著な伸びを示しています。生成AIの普及に伴いAIデータセンター間や施設内部を結ぶ高速・大容量通信のニーズが急増しており、ノキアの決算数値は、AI分野への世界的な投資がGPUなどの演算用半導体にとどまらず、データを高速伝送するネットワーク設備や光通信インフラへ本格的に波及している実態を明確に示しています。
ノキアは今後の見通しとして、光ネットワークとIPネットワークを合わせた事業領域において、2027年に25~30%の事業成長を見込んでいます。急増する需要に応えるため、同社が進める光通信関連設備の製造能力拡大計画は予定通り推移していると説明しました。一方、2026年の設備投資見通しについては、不動産計画の変更や製造投資に伴う一部現金支出のタイミングが2027年へずれ込むことなどを理由に、従来の想定から7億5,000万~8億5,000万ユーロへと下方修正を行いました。ただし会社側は、光通信の製造能力拡大計画は予定どおり進んでおり、今回の修正は一部の現金支出の時期に関するものだと説明しています。
さらにノキアは、2027年に向けた大きな成長機会に対応し部品供給を確実に確保するため、2026年中に運転資本を追加で4億ユーロ投入する計画を表明しました。同社は決算資料の中でリスク要因として、半導体を含む一部重要部品の調達・製造能力、部品コストの動向、顧客需要と在庫調整、ならびに世界的なサプライチェーンの混乱を挙げています。AIインフラ需要が幾ら急拡大しても、必要な部品をタイムリーに確保できなければ機器の製造・出荷が滞るため、需要の拡大が通信機器メーカーの資金運用やサプライチェーン管理の高度化を直接動かしている状況が浮き彫りとなっています。
決算発表の中で同社のジャスティン・ホタードCEOは、Googleがフィンランドで進める130億ユーロ規模の超大型インフラ投資を支える協業関係に言及しました。ホタードCEOは、この協業を、AIインフラに必要な接続基盤を光通信とIPネットワークが支える事例として紹介しています。具体的な契約金額やノキアの受注額は、今回の資料では明らかにされていません。
AIインフラ投資の波及効果は、演算処理を担うプロセッサの領域を超え、それらを相互接続する光通信設備の生産能力や電子部品の供給網、さらには企業の運転資本配分にまで急速に広がっています。ノキアの今回の決算発表は、AI需要の急拡大に伴う事業機会を確実に売上・利益へ結びつけるため、通信機器メーカーが製造能力の拡充とサプライチェーンの先行投資を強力に推し進めている現場の実態を具体的に示すものとなりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













