大型データセンターのサーバールーム。英国企業Yamnaは、オマーン南部サラーラで第1段階に10億ポンド超の投資を見込むAIデータセンターの開発を計画している。英国政府は2026年10月21日、同計画を含む両国の経済協力施策を発表した。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
英国政府は2026年10月21日、オマーン国王の訪英に合わせ両国の経済協力強化を発表しました。英国企業Yamnaがオマーン南部サラーラで大型AIデータセンターを開発する計画で、第1段階の投資額は10億ポンドを超える見込みです。英国内で100人超の高度専門職の雇用創出が期待されるほか、英国政府はUK Export Financeの対オマーン融資能力を最大70億ポンドに拡大する方針を示しました。
本文
英国政府は2026年10月21日、オマーンのハイサム国王による英国公式訪問の機会に合わせ、両国間の貿易および投資関係を深める新たな経済協力施策を発表しました。本発表の柱の一つとして、英国のエネルギー・インフラ開発企業Yamnaによる、オマーン南部サラーラにおける大型AIデータセンターの整備計画が明らかにされました。
今回提示されたAIデータセンター開発構想は、英国で設立された企業が、オマーンで大規模なAI関連インフラの開発を目指す海外投資計画として位置付けられます。事業の第1段階(フェーズ1)だけでも投資規模は10億ポンドを超える見込みとされています。
計画地のサラーラはオマーン南部に位置します。本案件は英国国内ではなくオマーンでのAIインフラ開発計画ですが、英国政府は、英国の専門技術の輸出や英国の投資家への利益還元を通じて、英国内で100人を超える高度専門職の雇用が生まれる見込みだとしています。
英国政府の発表によると、Yamnaはサラーラでの大型AIデータセンター建設に向け、オマーン側と協定を締結する予定です。今回の公表内容は、事業の初期段階における投資見込みおよび協力方針を示したものであり、現時点で実際のデータセンター施設の建設工事が着工されたことや、機器の据え付けが完了したことを意味するものではありません。
一方、英国政府はこうした民間投資の動きと並行し、政府系の輸出信用機関であるUK Export Finance(UKEF:英国輸出金融庁)を通じて、対オマーン向けの融資支援枠(金融供給能力)を最大70億ポンドに拡大する方針を打ち出しました。この措置は、英国からオマーンへの輸出に対する金融支援能力を高め、両国間の貿易・投資機会の拡大につなげるものです。
なお、UKEFによる最大70億ポンドの融資能力拡大は、将来的な対象案件に対する政府保証や融資の許容量枠を示すものであり、今回のAIデータセンター開発案件に対して直接70億ポンドが全額融資された、あるいは政府資金が直接投入されたという意味ではありません。Yamnaの10億ポンド超の民間投資見込みと、UKEFの最大70億ポンドの公的支援枠は、資金の性質および主体が異なる別個の指標として区別されます。
英国政府の公表資料によると、2022年以降におけるオマーンから英国への投資実績は累計で17億ポンドに達しており、両国間では双方向の投資・経済協力が着実に積み重ねられてきました。今回発表されたAIインフラ開発計画や公的輸出金融枠の拡大は、エネルギーや伝統的インフラに留まらず、先端技術・デジタルインフラ分野へ両国のパートナーシップを拡張する狙いがあります。
今後は、データセンター整備に関する協定の正式締結をはじめ、具体的な電力供給体制の確保、資金調達の確定、建設プロセスの進捗状況が主な焦点となります。AI需要の高まりを背景とした海外インフラ投資の計画段階から、実際の着工および稼働へ向けた具体的展開がどのように進められるか、今後の動向が注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













