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中外製薬が2026年10月27日に発表した1~9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比17.2%増の1兆681億円、IFRS営業利益が21.6%増の5,226億円となりました。国内の主力医薬品や新製品、海外向け輸出が伸び、ロイヤルティ収入も増加しています。一方、国内売上にはERP移行に伴う医薬品卸向け出荷の前倒しが含まれます。通期業績予想は据え置きましたが、会社は決算説明会資料で予想の過達を見込むと説明しています。
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中外製薬株式会社が10月27日に発表した2026年12月期第3四半期累計(1~9月期)の連結決算(国際会計基準=IFRS)は、売上収益が前年同期比17.2%増の1兆681億円、営業利益が同21.6%増の5,226億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同22.8%増の3,753億円となりました。国内外における自社創製品を中心とした医薬品販売が順調に拡大したことに加え、導出先からのロイヤルティ収入や一時金収入が大幅に伸長したことが寄与し、大幅な増収増益を達成しました。
国内市場における製商品売上高は、前年同期比18.2%増の4,063億円と堅調でした。定期的な薬価改定や後発医薬品の浸透による下押し圧力を受けたものの、主力品の抗悪性腫瘍剤「ポライビー」や血液凝固阻止剤「ヘムライブラ」、眼科用剤「バビースモ」が販売を伸ばしました。さらに、新製品として市場投入された抗悪性腫瘍剤「ルンスミオ」や遺伝子治療薬「エレビジス」の市場浸透が進んだことも、オンコロジーおよびスペシャリティの両領域における増収を後押ししました。
海外向けの製商品売上高は、前年同期比11.0%増の5,005億円となりました。スイスのガルデルマ社へ導出した抗IL-31受容体A抗体「NEMLUVIO」の同社向け輸出が大幅に増加したほか、親会社であるスイス・ロシュ向けの抗悪性腫瘍剤「アレセンサ」の輸出も好調に推移しました。なお、同社の説明によると、海外製商品売上高の増加には輸出数量の伸長に加えて為替相場の円安による押し上げ効果285億円が含まれており、輸出単価の下落影響を補って増収を確保しています。
製品の直接販売にとどまらず、技術供与に伴う収益も高水準に拡大しました。その他の売上収益は前年同期比37.7%増の1,613億円となり、うちロイヤルティおよびプロフィットシェア収入は同25.4%増の1,408億円を記録しました。ヘムライブラやNEMLUVIOに関するロイヤルティ収入に加え、一時金収入の増加も寄与しました。ロイヤルティおよびプロフィットシェア収入のうち、ロシュからの収入は1,251億円で、前年同期比16.6%増となりました。
一方、今期の国内業績を評価するうえでは一時的な流通要因に留意が必要です。中外製薬は国内事業所における次世代基幹業務基盤(ERP)の稼働準備に伴う移行措置として、医薬品卸売企業向けの一部出荷時期を当第3四半期(7~9月)内へ前倒しして実施しており、これが国内売上高を押し上げる要因となりました。なお、非経常的項目を控除した経常的指標であるCore営業利益は同19.0%増の5,361億円となり、創薬・早期開発投資を加速させたCore研究開発費は同9.6%増の1,412億円となりました。
2026年12月期の通期連結業績予想(Coreベース)については、売上収益1兆3,450億円、Core営業利益6,700億円、Core当期利益4,850億円とする従来見通しを据え置きました。1~9月期時点での通期進捗率は売上収益79.4%、Core営業利益80.0%に達しています。一方、決算説明会資料では会社側が予想の過達を見込むと説明しています。年間配当予想も132円(中間66円、期末予想66円)に据え置きました。前期の年間配当272円には創業100周年記念配当150円が含まれており、普通配当同士の比較では前期の122円から10円の増配となります。
今回の決算は、主力医薬品の国内外での伸長と、自社開発品の海外展開に伴うロイヤルティ収入の拡大が同時に機能する、同社独自の高収益構造を浮き彫りにしました。創薬技術への積極的な研究開発投資を継続しながら高水準の利益を創出する基盤が実証されています。ただし、国内売上高の急伸には基幹システム移行に伴う出荷前倒しという期ズレ要因が含まれているため、実需の伸びと流通要因を区分して事業進捗を見極める視点が重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













