物価高で「月5万円以上の追加収入が必要」4割 スキマバイト利用者1.6万人調査、食費の負担重く

2026年10月27日 13:43

画・賃上げ、8割の企業で実施。初任給は2割半増し。理由は人材確保、離職防止。

横断歩道を行き交うビジネスパーソン。シェアフルの調査では、アプリ利用者の40.0%が月5万円以上の追加収入を必要と感じ、79.4%が副業やスキマバイトによる増収を希望していました。(資料写真)

今回のニュースのポイント

シェアフルが2026年10月26日に発表した調査では、アプリ利用者16,521人の94.8%が物価高を実感し、40.0%が月5万円以上の追加収入を必要と感じていました。79.4%は副業やスキマバイトで収入を増やしたいと回答しています。負担が増えた支出と節約が難しい支出の双方で食料品費が最多でした。総務省の9月の消費者物価指数も前年同月比で上昇しています。ただし、調査結果は短期就労サービス利用者の意識を示すもので、国民全体の傾向や実際の家計不足額を表すものではありません。

本文
 スキマバイトアプリを展開するシェアフル株式会社が10月26日に発表した調査結果によると、同社サービスの利用者において、物価高を実感していると回答した割合が94.8%に達しました。さらに、物価高への対応として必要と感じる追加収入の金額については、40.0%が「月5万円以上」と回答しました。また、回答者の79.4%が副業やスキマバイトを通じて収入を増やしたいと考えており、日々の支出増加を感じる中で、副業やスキマバイトによる収入の補完を希望する利用者が多いことが示されています。

 今回の調査は、2026年10月14日にインターネット上で実施され、スキマバイトアプリ「シェアフル」の利用者16,521人が回答しました。回答者数は1.6万人規模と多数に上りますが、本調査はすでに単発雇用や短期就労のプラットフォームに登録・利用している層を対象としたものです。そのため、回答者の属性や就労に対する意識は一般的な会社員や労働者全体とは異なる可能性があり、本調査の数値を日本全体の副業希望率や全国民の家計状況としてそのまま一般化することはできません。

 家計支出の内訳に目を向けると、物価上昇の影響は生活に直結する項目に集中しています。物価高によって負担が増えた支出を尋ねた設問では、「食料品費」を挙げた人が75.8%で最多となりました。さらに、生活の中で節約が難しい支出を尋ねた設問においても、「食料品費」が56.7%で最も高い割合を占めました。食料品費は日常生活に欠かせない支出であり、今回の回答からは、価格上昇による負担を感じる人が多く、節約も難しいと受け止められていることがうかがえます。

 背景となる経済情勢を公的統計で確認すると、総務省統計局が10月23日に公表した「2026年9月分 消費者物価指数(全国)」では、生鮮食品を含む総合指数が前年同月比で2.1%の上昇を記録しました。こうした全国的な物価の上昇傾向が、各家庭の生活費に一定の押し上げ要因として働いている状況がうかがえます。ただし、全国を対象とした物価上昇率と、特定アプリの利用者が回答した「月5万円以上」という追加収入の希望額との間に、直接的な算術的因果関係があるわけではありません。

 今回の調査で79.4%が副業やスキマバイトによる増収を希望している点は注目されますが、これはあくまで収入を増やしたいという意向であり、実際に追加就労を行って収入を得た実績を示す数値ではありません。また、40.0%が「月5万円以上の追加収入が必要」と感じている点についても、実際の家計簿に基づく赤字額や確定した不足金額を意味するものではありません。意識としての必要額や就労希望と、現実の就労機会や獲得できる実収益との間には隔たりが存在することを区別して捉える必要があります。

 調査結果を読み解く上では、調査主体であるシェアフルが短期就労のマッチング事業を営んでおり、調査対象も同社サービスの利用者に限られているという事業構造への配慮も欠かせません。短期雇用や柔軟な働き方に関心を持つ層の回答が集まりやすい設計であるため、得られた結果は同種のサービスと接点を持つ人々の生活実態やニーズを把握するための指標として扱うことが適切です。事業者のプラットフォーム需要と切り離し、冷静なデータ分析の視点を保つことが求められます。

 今回の調査結果について、シェアフル利用者の間では、生活費の負担に対する対応として、支出を見直す「節約」だけでなく、副業やスキマバイトによって「収入を増やす」ことにも関心が向けられていると読み取れます。もっとも、追加の就労には本業との両立、拘束時間、身体的な負担といった現実的な制約が伴い、希望する金額を確実に得られるとは限りません。物価高への長期的な備えとしては、日々の支出見直しと現実的な就労可能時間のバランスを冷静に見極め、家計を管理していく視点が重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)