子どもを肩車して街を歩く大人。政府が10月28日に開いた人口総合戦略に関する会議では、2025年の出生数67.1万人、合計特殊出生率1.14に加え、結婚・出産に関する意識の変化が示された。結婚や子育てを希望する人が、その希望を実現しやすい環境づくりが課題となっている(写真はイメージ)
今回のニュースのポイント
政府が10月28日に開いた人口総合戦略に関する会議では、少子化の背景を示す人口動態や結婚・出産意識の統計が資料として示されました。2025年の出生数は67.1万人、合計特殊出生率は1.14となっています。未婚者の結婚意向は男女ともに低下しており、夫婦の理想の子ども数2.18人に対し、予定する子ども数は1.95人です。出生数の減少には人口構成や結婚・出産行動の変化が重なっており、希望を実現しやすい社会環境の整備が課題となっています。
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政府が2026年10月28日に開催した「第1回人口総合戦略に関する関係副大臣等会議」の配付資料では、少子化の現状と背景を示す最新の人口動態データや意識調査の結果が整理されました。厚生労働省の人口動態統計に基づき、資料には2025年の日本人の出生数が67万1,270人(約67.1万人)、合計特殊出生率が1.14と示されています。合計特殊出生率は、その年の女性の年齢別出生率を合計した指標で、実際に女性1人が生涯に産んだ子どもの平均人数を表すものではありません。前年の2024年の1.15からさらに低下し、いずれも過去最低水準を更新する厳しい現状が改めて浮き彫りとなっています。
会議資料では、出生数の減少をめぐる背景について「人口要因」「有配偶率要因」「有配偶出生率要因」という3つの構造的要因から整理されています。第1の人口要因は、子どもを産む世代である若い女性の人口そのものが減少していることです。第2の有配偶率要因は、出産年齢層の女性のうち結婚している人の割合の変化、第3の有配偶出生率要因は、結婚している女性の出生率の変化を指します。少子化は単一の理由によるものではなく、これら複数の要素が重なり合って進行していることが示されています。
このうち結婚行動の変化に関しては、国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第17回出生動向基本調査(2025年)」の独身者調査の結果が引用されています。18歳から34歳の未婚者を対象とした調査において、「いずれ結婚するつもり」と回答した割合は、同じ設問定義による2010年調査の男性86.3%、女性89.4%から、2025年調査では男性75.1%、女性77.8%へとそれぞれ大きく低下しました。長年にわたり男女とも8割台から9割前後で推移していた結婚意向が、足元で男女ともに8割を下回る水準へと変化している実態が確認できます。
一方、結婚している夫婦の出産意識においても変化が見られます。同調査の夫婦調査(初婚どうしの夫婦)によると、夫婦が考える「平均理想子ども数」は2025年時点で2.18人となっており、1987年調査の2.67人から長期的な低下傾向が続いています。さらに、実際に持つつもりである「平均予定子ども数」は1.95人にとどまり、理想の数を0.23人下回りました。予定子ども数も1987年の2.23人から低下しており、夫婦の間でも予定する子どもの数が2人を割り込む状況となっています。
また、参考資料には結婚意向を持つ未婚者が希望する子どもの数も示されています。いずれ結婚するつもりの未婚者(18~34歳)における平均希望子ども数は、2025年調査で男性が1.64人、女性が1.70人でした。この数値も1980年代から2000年代にかけて2人以上を保っていた水準から継続的に低下しています。既婚夫婦の予定数だけでなく、これから結婚を視野に入れる若い世代の間でも、想定する家族の規模に縮小傾向が見られます。
これらの統計から読み取れるのは、出産年齢層の人口減少という人口構造上の問題に加え、人々の結婚や出産に対する意識が長期的に変化している現実です。ただし、意識調査の回答は調査時点の意向や見通しを反映したものであり、実際の確定的な出生数とは性質が異なります。また、個人の家族観やライフスタイルの多様化、雇用・所得環境や生活基盤の制約など、意識の変化の背景には多面的な要素が複雑に絡み合っていると考えられます。
政府が進める「人口総合戦略」の検討において、少子化傾向の反転は重要な基本方向の柱の一つとして位置づけられています。結婚や出産は個人の自由な意思決定に基づくものであり、政策が特定の家族像を強いることはできません。そのため行政に求められる視点は、結婚や子育てを望む人々が直面する障壁を取り除き、それぞれの希望を実現しやすい社会環境を整えられるかどうかにあります。
出生数の減少は、将来の国内市場規模や社会保障の担い手の確保など、中長期的な経済社会の供給力に広く影響を及ぼす可能性があります。人口動態の変化を正確に見据えた上で、人々の多様な選択を尊重しつつ、いかに実効性のある環境整備へとつなげていくかが、策定作業が進む人口総合戦略の大きな焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













