米ハネウェル航空宇宙、5億ドルで新工場 部品加工を内製化、供給制約に対応

2026年10月29日 10:36

金属部品イメージ

航空宇宙関連部品の精密機械加工を表現した画像。米ハネウェル・エアロスペースはアリゾナ州に5億ドルの新工場を計画。外部サプライヤーの供給制約に対応し、複雑な機械加工の内製能力を増強する方針だ。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米ハネウェル・エアロスペースは10月28日、米アリゾナ州テンピの既存拠点に5億ドルを投じて新工場を建設する計画を発表しました。稼働開始は2028年後半を予定し、長期的に約600人の雇用創出を見込んでいます。外部調達先の供給能力がボトルネックとなっている複雑な機械加工工程を自社内に取り込むことで、民間航空機および防衛向け製品の供給体制を強化し、生産の垂直統合を進める方針です。

本文
 米航空宇宙機器大手のハネウェル・エアロスペースは2026年10月28日、米アリゾナ州テンピの既存キャンパスにおいて、5億ドルを投じて新たな製造施設を建設する計画を発表しました。同施設は2028年後半の稼働開始を予定しており、稼働に伴い時間をかけて約600人の新規雇用を創出する見込みです。

 新施設の規模は30万平方フィート(約2万7,900平方メートル)です。施設内には、統合デジタル生産システムをはじめ、モジュール式ロボット、自動検査装置、設備の稼働状態を仮想空間で再現するデジタルツインなど、先進的なデジタル製造技術を導入する計画です。これにより、製造工程の効率化と品質管理の高度化を図ります。

 今回の設備投資において同社が重視しているのが、複雑な機械加工工程の内製化です。同社によると、外部サプライヤーの複雑な機械加工能力が制約となり、部品供給に影響しています。同社は高精度かつ複雑な形状の機械加工能力を自社内に増強し、製造工程の垂直統合を進めることで、外部調達先への過度な依存を抑え、サプライチェーン全体の強靱化を図る狙いがあります。

 新施設で製造される製品は、民間航空機向けおよび防衛関連向けの双方を対象としています。具体的には、航空機の制御を担う「Assure高度アクチュエーションシステム」や、機内の温度管理に関わる「Attune蒸気圧縮式冷却サブシステム」など、次世代プラットフォーム向け製品の生産が想定されています。

 稼働に向けた雇用面では、施設運営に伴い長期的に約600人の直接雇用を見込むほか、建設期間中には地域で1,000人を超える雇用を支える試算です。同社は2026年6月に独立上場企業となっており、同日発表された2026年第3四半期決算では、売上高が前年同期比2%増の46億4,400万ドル、期末受注残高が同12%増の約193億ドルに達するなど堅調な需要を維持しています。

 今回の新工場建設計画は、旺盛な航空需要に対応するだけでなく、生産拡大の壁となってきた機械加工工程を自社内に取り込むことで供給能力の制約を克服する試みといえます。デジタル製造技術の導入と生産体制の再構築を通じ、民間・防衛の両市場で持続的な製品供給を実現できるかが注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)