今回のニュースのポイント
米運輸省海事局(MARAD)は10月28日、テキサス州沖に計画されている82億ドル規模の洋上液化天然ガス(LNG)輸出港「ST LNG」の深水港ライセンス申請を承認しました。年間最大840万トンの輸出能力を見込み、2027年着工、2029年稼働を予定しています。MARADの説明によると、最終環境影響評価書の作成期間を410日に短縮し、過去の平均に比べて審査期間を約70%短縮したとしています。
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米運輸省海事局(MARAD)は2026年10月28日、民間事業者のST LNG, LLCが申請していた深水港ライセンスについて、承認を決定したと発表しました。対象となるのは米テキサス州マタゴルダ沖に整備が計画されている大型の洋上液化天然ガス(LNG)輸出施設で、事業規模は総額82億ドルに上ります。計画では2027年に建設を開始し、2029年の稼働開始を目指しています。
計画されている輸出港の液化処理能力は、年間210万トンの液化設備4系列で構成され、合計で年間840万トンの能力を備える設計です。米政府の試算によると、本施設が完成・稼働した場合、米国のLNG輸出能力全体を約7~9%押し上げる見込みです。世界的なエネルギー需要や供給安定化への関心が高まる中、沿岸部の混雑を避けた沖合での大規模輸出インフラとして位置づけられています。
施設の主要構造は、洋上に設置される20基の固定式プラットフォームを中心に、4基の浮体式LNG貯蔵設備、4基の係留設備、および海底パイプラインなどで構成される予定です。原料となる天然ガスは、既存のパイプライン網やガス処理施設を経由して洋上拠点へ供給される計画となっています。
雇用面について事業計画では、建設工事の段階で約2,000人の雇用を創出・支援し、操業開始後の恒久的な直接・間接雇用としては最大855人を見込んでいます。ただし、これらは今後の事業展開に伴う見込み数値であり、現段階で確定した実績ではありません。
今回の発表では、許認可手続きの実務的な進捗とともに、環境審査の迅速化が強調されました。MARADは、今回のFEIS作成に要した410日について、過去の深水港ライセンス審査における平均的な期間と比べて約3.7年短く、審査期間を約70%短縮したと説明しています。
なお、今回のMARADによる決定は、深水港法に基づく海洋施設の建設・運営に関するライセンス申請の承認です。米国からのLNG輸出にあたっては、別途、米エネルギー省(DOE)による輸出認可手続きが必要となります。DOEの2026年9月30日時点の申請一覧によると、同事業のFTA(自由貿易協定)締結国向け輸出申請は承認されているものの、日本を含む非FTA国向け輸出申請は審査中(Pending)となっています。そのため、今回のMARAD承認によって非FTA国向けの輸出認可まで完了したわけではありません。
一方、事業者による最終投資決定の時期は今回の発表では明らかにされておらず、建設工事や商業運転も今後の計画段階にあります。今回の承認は、洋上LNG輸出港の実現に向けた許認可上の進展と位置づけられます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













