今回のニュースのポイント
米Evolution Metals & Technologies(EM&T)は10月28日、韓国・浦項の拡張施設にULVAC製設備を積んだ全57コンテナが到着したと発表しました。同社は今後、設備の設置・試運転を進め、現地のレアアース磁石生産能力を年産約1,000トンから約1万トン(うち高性能焼結磁石が約6,000トン)へ約10倍に拡張する計画です。米国企業による韓国の製造拠点拡張に日本関連の製造装置が組み込まれる構図となっており、今後の本格稼働に向けた進捗が示されました。
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米国の重要鉱物・先端製造企業であるエボリューション・メタルズ&テクノロジーズ(EM&T)は2026年10月28日、韓国・浦項市にあるレアアース(希土類)磁石製造拠点の拡張施設に向けて輸送されていた、ULVAC(アルバック)製設備を収めた計57コンテナの搬入がすべて完了したと発表しました。
同社は搬入された設備の設置・試運転を進め、浦項拠点における年間のレアアース磁石生産能力を、現在の約1,000トンから約1万トンへと約10倍に引き上げる計画を掲げています。拡張後の計画能力である年産約1万トンのうち、約6,000トンは電気自動車(EV)や風力発電、産業機械などに用いられる高性能焼結磁石が占める見通しです。
今回の製造ライン拡張には、真空技術に強みを持つ日本のアルバックグループに関連する設備が採用されています。米証券取引委員会(SEC)への開示資料によると、EM&Tの事業子会社は日本のアルバックの子会社であるULVAC Koreaとの間で設備供給契約を締結しており、真空誘導溶解炉や連続真空焼結炉などの主要装置の調達を進めてきました。なお、今回の発表は設備の搬入完了を示すものであり、日本のアルバック本体による直接の受注金額や業績への定量的影響は公表されていません。
浦項施設への設備搬入を巡っては、10月15日に全57コンテナのうち先行する13コンテナの到着が公表されていました。今回、残るコンテナ群がすべて現地に到着したことで、調達から輸送に至る重要な節目を通過した形となります。発表資料の冒頭では11月に試運転を開始する予定とする一方、経営陣は組み立てと試運転がすでに始まっていると説明しています。工程ごとの開始時期には明確でない部分もありますが、同社は設備の設置・試運転を進め、製造ラインの立ち上げを目指しています。
レアアース磁石の製造に不可欠な原材料の調達について、EM&Tは必要な原材料の50%超に関して中国以外の供給元からの調達契約または現地在庫を確保したと説明しています。世界的な供給網の不確実性が意識される中、中国依存の低減を図りながら生産体制を整える姿勢を示しています。
事業環境の整備に向けて同社は、10月27日に浦項市との間で投資枠組みを締結しました。現地の国家産業団地内における敷地確保に加え、条件付きながら地方政府から約2,800万ドル規模の助成を見込んでいるとしています。さらに、米国の防衛調達規則におけるレアアース磁石の原産地規制への適合を見据えた供給能力の確立を目指しています。
米国企業による韓国での製造拠点拡張に日本の先端製造装置が供給されるという、重要鉱物サプライチェーンの国際的な分業構造が具体化しています。もっとも、設備の到着はライン構築の第一段階であり、年産約1万トン体制の実現に向けた設置・試運転の進捗と、実際の量産開始時期が今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













