ANA、AIRDO・ソラシドエアの完全子会社化へ基本合意 2027年4月を予定、将来のブランド統合も視野

2026年10月29日 16:16

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NAの航空機。ANAホールディングスは2026年10月29日、AIRDOとソラシドエアを傘下に持つリージョナルプラスウイングスの完全子会社化に向け、基本合意書を締結したと発表した。(写真は資料)

今回のニュースのポイント

ANAホールディングスは2026年10月29日、AIRDOとソラシドエアを傘下に持つリージョナルプラスウイングス(RPW)を株式交換により完全子会社化するための基本合意書を締結したと発表しました。効力発生日は2027年4月1日を予定しています。当面は地域航空2社のブランドを維持する一方、将来的にはANAブランドへの統合も視野に検討を進めます。なお、現時点で正式な株式交換契約や交換比率は未決定です。

本文
 大手航空会社のANAホールディングス(ANA)は2026年10月29日、株式会社AIRDO(エア・ドゥ)および株式会社ソラシドエアの持株会社である株式会社リージョナルプラスウイングス(RPW)を、株式交換により完全子会社化することに向けた具体的な協議・検討を進める基本合意書を締結したと発表しました。本取引が成立した場合、北海道および九州・沖縄を拠点とする地域航空2社がANAの完全子会社グループへ入ることになります。

 本株式交換は、ANAを株式交換完全親会社、RPWを株式交換完全子会社とする方式を予定しています。同社が示した日程案によると、2026年12月下旬に正式な株式交換契約を締結し、2027年2月下旬のRPW株主総会決議などを経て、2027年4月1日の効力発生を目指しています。ただし、本基本合意書は独占交渉義務などを除き法的拘束力を持たず、株式交換比率などの取引条件は今後の協議事項であり、正式な契約締結や競争法上の審査完了などを前提としています。

 完全子会社化が実現した場合の事業運営について、ANAは当面の間、AIRDOとソラシドエアの各ブランドを維持する方針を示しました。一方で中長期的な戦略としては、地域との関係性や安全運航、顧客や従業員への影響を総合的に考慮した上で、ANAブランドへの統合も視野に入れて検討を行う方針を明らかにしました。

 事業環境面では、北海道発着路線を中心とする「北海道の翼」AIRDOと、九州・沖縄発着路線を中心とする「九州・沖縄の翼」ソラシドエアの地域ネットワークと、ANAグループの国内外ネットワークとの接続強化を図ります。人口減少やリモートワーク普及に伴う国内線需要構造の変化、機材調達・部品・整備費用の高騰、人手不足といった経営課題に対し、路線の利便性向上や地域航空ネットワークの維持を目指します。

 今回の再編構想の背景には、政策面での規制緩和があります。国土交通省の有識者会議での議論を経て、2026年5月に大手航空会社による特定既存航空会社への出資規制が廃止されました。これを受け、ANAは2026年5月25日にRPWへ完全子会社化に関する意向表明書を提出し、協議を重ねて今回の基本合意に至りました。

 経営統合による具体的な効果として、独立した事業主体間では制約があった競争上機微な情報共有や一体的な経営判断を進めます。事業計画の策定、収入管理(レベニューマネジメント)、機材・燃油等の調達、空港施設管理などの機能を統合・連携させ、国内旅客事業の収益力改善と経営資源の最適化を進める方針です。

 ANAグループと両社は、AIRDOとは2002年から、ソラシドエアとは前身のスカイネットアジア航空時代の2005年からコードシェアや資本提携を続けてきました。2026年3月末時点で、ANAはRPWの発行済株式の15.32%(普通株式12万9,352株)を保有する主要株主です。RPWグループの2026年3月期連結実績は売上高1,088億100万円、営業利益34億3,100万円となっており、売上高はANAの連結売上高(2兆5,392億円)の約4.3%に相当します。

 今後、両社は第三者算定機関の算定結果等を踏まえて株式交換比率を決定する予定です。ANAは、本基本合意書の締結および2027年4月1日予定の株式交換が2027年3月期の当期連結業績に与える影響は軽微とし、2028年3月期以降の影響については精査中としています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)