豊田合成、営業益16%増も通期予想据え置き 市況悪化を警戒、最大300億円の自社株買い

2026年10月29日 16:07

今回のニュースのポイント

豊田合成が2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比13.5%増の6,081億円、営業利益が同16.1%増の382億円でした。芦森工業の連結子会社化や増販効果、原価改善が進んだ一方、税負担の増加により親会社所有者帰属中間利益は同2.8%減の269億円となりました。通期の営業利益予想(800億円)は市況悪化を警戒して据え置きました。同時に、最大300億円の自己株式取得枠の設定を発表しました。

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 トヨタグループの自動車部品大手である豊田合成は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月、IFRS・連結)の決算を発表しました。売上収益は前年同期比13.5%増の6,081億円(6,081億400万円)、本業の儲けを示す営業利益は同16.1%増の382億円(382億400万円)と増収・営業増益を達成しました。営業利益率は前年同期の6.1%から6.3%へ改善しています。一方、税引前利益は同8.1%増の385億円(385億9,900万円)となったものの、法人所得税費用が前年同期の46億円から87億円へ増加したことなどが影響し、親会社の所有者に帰属する中間利益は同2.8%減の269億円(269億6,500万円)と最終減益となりました。

 上期の増収増益の背景には、外部環境と企業努力の双方が寄与しました。売上収益の増加には、芦森工業の連結子会社化や顧客の生産台数増加、為替の円安効果などが寄与しました。会社によると、増収額約724億円のうち、為替影響を除いた増収額は約427億円でした。営業利益の増減分析(前年同期比約52億円増、為替除くベースで約41億円増)を見ると、価格改訂(マイナス63億円)や材料市況の悪化(マイナス47億円)、昇給影響(マイナス48億円)、固定費増加(マイナス31億円)などの下押し要因が生じました。これらに対し、増減販効果のプラス46億円や為替影響のプラス10億円に加え、新製品効果を含む原価改善がプラス123億円と大きく寄与し、中東情勢の影響などを受けながらも営業増益を確保しました。

 地域別業績では明暗が分かれました。主力市場である日本は売上収益が前年同期比17.5%増の2,613億円、営業利益が同33.0%増の101億円と好調で、米州も売上収益が同14.8%増の2,380億円、営業利益が同14.1%増の160億円と堅調に推移しました。一方、中国は顧客の生産台数減少などから売上収益が同13.7%減の366億円と落ち込んだものの、原価改善や固定費削減を進めた結果、営業利益は同93.6%増の15億円と大幅増益を達成しました。また、インドは顧客の増産を捉えて売上収益が同23.8%増の291億円と2割超伸びた一方、先行投資に伴う固定費増加や昇給の影響を受け、営業利益は同13.1%減の22億円と増収減益となりました。

 2027年3月期の通期連結業績予想について、同社は期初公表の数値を据え置きました。通期の売上収益は前期比4.6%増の1兆2,000億円、営業利益は同0.6%増の800億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同8.1%減の570億円を見込んでいます。原価改善や固定費の抑制、一過性の費用回収などの効果を見込むものの、足元で想定を上回る市況悪化を警戒しているため予想を維持しました。通期の対米ドル前提為替レートは、上期実績(1ドル=159円)を反映する一方、下期想定を従来の155円から150円へと円高方向に見直したことで、通期平均155円を維持しています。

 決算発表と同時に、同社は機動的な資本政策と株主還元策として大規模な自己株式取得枠の設定を発表しました。取得上限額は300億円、取得し得る株式の総数は3,600万株(発行済株式総数に対する割合6.1%)で、取得期間は2026年10月30日から2027年3月31日まで、東京証券取引所における市場買付けにより実施します。取得した自己株式については、約3分の2を消却し、約3分の1を社員向け譲渡制限付株式(RS)の原資として活用する予定です。

 株主還元および投資計画について、同社は2026年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施しました。これを踏まえ、2026年9月30日を基準日とする中間配当は株式分割前の基準で1株あたり85円とし、期末配当予想は株式分割後の基準で1株あたり18円(分割前換算で90円)としています。分割前換算の年間配当予想は175円となり、前期実績(138円)から37円の実質増配となる見通しです。また、通期の設備投資計画は720億円(前期比135億円増)、研究開発費計画は470億円(同24億円増)とする積極的な投資方針を据え置いています。

 上期は原価改善と増販によって本業の営業増益を堅持したものの、通期見通しには慎重姿勢を崩さず、同時に大規模な自社株買いを通じて資本効率向上と人への投資を両立させる姿勢を鮮明にしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)