ＮＹダウは２ドル高で８日続伸。日経平均は前日に８連騰でストップしたがＮＹダウは９連騰なるか。１３日朝方の為替レートはドル円が９６円台近辺、ユーロ円が１２５円台近辺で前日よりも若干円高。日経平均始値は６２．５２円安の１２２５２．２９円だったが、前日の後場と同様にプラス圏にも浮上する大きな上下動を繰り返し、うねりながら下落。円高の進行を受けた利益確定売りやアジア株の軟調で下げたかと思えば５日移動平均線近辺では押し目買い意欲も強くて反発し、安値圏では底堅い値動きだった。結局、終値は７５．１５円安の１２２３９．６６円で続落し、ＴＯＰＩＸは－４．４８の１０３１．４２。売買高は３０億株にあと一歩届かなかったが、売買代金は２兆円を超えていた。
上昇業種は食料品、空運、倉庫、その他製品、鉄鋼など。下落業種はゴム製品、電力・ガス、小売、陸運、水産・農林などだった。
前日から急反発して２９５円高だったのがＪＴ＜2914＞で、売買代金ランキングで１位になり日経平均寄与度は８円。しかしファーストリテイリング＜9983＞が６５０円安、ファナック＜6954＞が３６０円安、ソフトバンク＜9984＞が１５円安で、「御三家」が日経平均を４２円押し下げてはかなわない。上海市場が５日続落で、コマツ＜6301＞が３７円安、日立建機＜6305＞が４７円安と中国関連銘柄がふるわなかった。
主力銘柄が同じ業種でプラスとマイナスに分かれる傾向はこの日も続き、自動車関連はホンダ＜7267＞の１０円高、デンソー＜6902＞の６０円高に対しトヨタ＜7203＞が５０円安、精密は「在庫２割圧縮」と報じられたニコン＜7731＞の６５円高に対しキヤノン＜7751＞が１００円安、オリンパス＜7733＞が６７円安、ハイテク関連はソニー＜6758＞の２２円高に対し京セラ＜6971＞は１００円安、医薬品は塩野義製薬＜4507＞の６７円高に対し武田＜4502＞が７０円安だった。メガバンクも三菱ＵＦＪ＜8306＞の９円高、りそなＨＤ＜8308＞の１円高に対しみずほ＜8411＞は１円安、三井住友ＦＧ＜8316＞ は２０円安と真っ二つ。話題のメタンハイドレート関連も、日本海洋掘削＜1606＞は２５０円高で６日続伸し売買代金２位だったが、三井海洋開発＜6269＞は６５円安と明暗が分かれた。
空運はＪＡＬ＜9201＞が７５円高、全日空＜9202＞が３円高。アメリカ連邦航空局（ＦＡＡ）がバッテリーの問題の対策案を暫定承認してボーイング７８７の試験飛行、運航再開に大きく前進したのが好感された。ＧＳユアサ＜6674＞は３円高だった。政府から消費税還元セールを禁止されて小売が全般に不振だった中、Ｊフロントリテイリング＜3086＞、高島屋＜8233＞がともに１８円高で丸井Ｇ＜8252＞が１２円高と、主に百貨店関連が買われていた。東洋エンジニアリング＜6330＞はロシアの製油所プラントを３００億円で受注したニュースを材料に３０円高で昨年来高値を更新。値上がり率上位には１位に消火ホースの芦森工業＜3526＞、２位に極東貿易＜8093＞、５位にラサ工業＜4022＞、７位にヤマタネ＜9305＞と、株価が３００円以下の銘柄がランクインし、個人投資家の低位株を狙い撃つトレードの人気ぶりを示していた。
この日の主役は「パワービルダー」。ローコストの「プレカット工法」で延床面積１００平米程度の二階建て戸建て住宅を土地付きで分譲するデベロッパーで、地方都市の近郊や首都圏なら北関東方面を地盤に９０年代から成長してきた。一（はじめ）建設＜3268＞、飯田産業＜8880＞、東栄住宅＜8875＞、タクトホーム＜8915＞、アーネストワン＜8895＞、アイディホーム＜3274＞の６社が１１月に共同持株会社を設立して経営統合する。６社とも一建設の前身の飯田建設工業の元社員が独立・創業した会社で、ジャスダック上場の一建設が前日に２５％経常増益、通期見通しが２０％増益の１月期決算を発表してストップ高になると、他の５社も連鎖的に株価が上昇した。東証１部上場の飯田産業は値上がり率６位、東栄住宅は値上がり率１６位、タクトホームは値上がり率１５位、アーネストワンは値上がり率９位にランクインし、ジャスダック上場のアイディホームも３４５円高と、全６社が昨年来高値を更新するお祭り騒ぎになった。パワービルダーの建売住宅は都心部の５０～６０平米程度のマンションとともに団塊ジュニア世代の住宅一次取得者層がターゲットで、住宅ローンの金利先高感、消費税アップ前の駆け込み需要で今年、販売の盛り上がりが期待される。なお、注文住宅を安く建てる非分譲系パワービルダーにはユニバーサルホーム 、アイフルホーム（ＬＩＸＩＬ住宅研究所）、セルコホームなどがあるが、その一つ、タマホーム＜1419＞が３月２７日に東証に新規上場するので、また話題になりそうだ。（編集担当：寺尾淳）
