輸入車及び軽自動車を除く11月の新車乗用車販売台数(日本自動車販売協会連合会による統計データ)のトップは19カ月連続でトヨタの「プリウス」で、軽自動車部門で1位だったダイハツ「タント」の1万3217台を上回る2万1400台だった。しかし、前年同月比は3カ月連続のマイナスになっており、2年前のリーマンショック後の水準も下回った形となった。
この販売台数の伸び悩み傾向は9月中旬に打ち切られたエコカー補助金の影響が大きく、結果、プリウスは前年同月比20.2%減、同じトヨタの「ヴィッツ」(3位:6813台)にいたっては、49.3%減と大幅なマイナスとなった。2位のホンダ「フィット」もマイナス幅は少ないが、2.9%減と一番影響の少ない結果となった。メーカー別の前年同月比を見てみると、トヨタが35.6%減、ホンダが37.2%減、日産が31.9%減、マツダが40.0%減と大きく数字を落とし、ここでもエコカー補助金終了が大きく影響している。
一方、輸入車部門は34.3%増で、13カ月連続前年同月比を上回り、一見好調の兆しが見えないこともないが、実際トップを保持しているメーカーは日産で、それもタイ生産の「マーチ」が作り出した数字となれば、手放しで喜んでいいかは疑問が残る所だ。
しかし今後、このような新興国での生産は拡大が予想されており、「マーチ」は生産増加傾向の良い例になる可能性は大きい。日本経済の下支えの役目を失いそうになっている自動車産業の落ち込みだが、各社、従来にはなかった独自の車種開発や販売網などを展開し、上向きになる方法を模索していく。