【日経平均】下落2日分の9割を戻し12300円台回復

2013年04月03日 21:23

 NYダウは2月の製造業受注額の5ヵ月ぶりの高い伸びなどを受け89ドル高で再び史上最高値を更新し、今や世界で一つだけの好調市場。3日朝方の為替レートはドル円が93円台前半、ユーロ円が119円台後半で、前日夕方から少し円安。日経平均は108.66円高の12112.09円と3ケタの反発でスタート。午前9時9分にファーストリテイリング<9983>に2200円の始値がつくと日経平均は一瞬で200円高・12200円台に乗せ、遅れてTOPIXも1000台を回復した。前場で12200円台に定着し、後場は内需系の後を追って輸出関連にも買いが入って12300円台にも乗せた。東京の強い風雨とは逆に、2日続いた乱高下の「春の嵐」がおさまって陽気が戻り、日経平均終値は358.77円高の12362.20円で高値引け。4月1日、2日の2日間で394円も下げた分の約9割をこの日だけで取り戻した。終値は前日に割り込んだ25日移動平均線だけでなく、5日移動平均線よりも上に出た。値上がり銘柄が全体の約86%の1470もある全面高で、TOPIXは+19.09の1010.43。売買高は31億株、売買代金は2兆3393億円だった。

 下落した業種は鉄鋼とパルプ・紙の2業種のみ。値上がり率の小さい業種は保険、その他金融、ガラス・土石、繊維など。一方、値上がり率が高かった業種は陸運、輸送用機器、ゴム製品、電気・ガス、医薬品、食品、小売などで、輸出関連も内需系も混在していた。

 終値では4350円高まで高騰し値上がり率12位、売買代金4位に入ったファーストリテイリングの日経平均寄与度は174円もあり、終値215円高で売買代金3位のソフトバンク<9984>の寄与度は25円で、合わせて199円。この2銘柄が採用銘柄でなければ日経平均終値は12163円だった。

 特に材料がないのに物色されたのが東京電力<9501>で、61円高で1年半ぶりに株価300円台を回復して年初来高値を更新。値上がり率1位、売買高1位、売買代金2位に入った。金融関連は続伸。自動車は前日の下げがきつかっただけに戻り幅も大きく、トヨタ<7203>は175円高、マツダ<7261>は17円高と好調。3月の中国での販売台数が前年比で16%減だった日産<7201>は33円高、6%減だったホンダ<7267>は155円高と、中国での販売不振も悪材料にならなかった。一方、電機は東芝<6502>が16円高、NEC<6701>が14円高、富士通<6702>が10円高、日立<6501>が6円高、ソニー<6758>が11円高と上昇が鈍い。シャープ<6753>は1000億円の新たな公募増資を行う観測が出た一方で中期経営計画に増資を盛り込まない見通しというように報道が錯綜したが、増資に伴う希薄化懸念が優勢で15円安で年初来安値を更新した。パナソニック<6752>も14円安と下落している。

 4月は決算関連の観測記事が多くなる時期。伊勢崎線をスカイツリーラインに改称して社運を賭けた東武<9001>は「スカイツリー効果」が大きく寄与し営業利益5割増と報じられ22円高、オービック<4684>は経常最高益と伝えられ520円高、NSユナイテッド海運<9110>が165億円の最終赤字という記事が出ても1円高になったのは人気の海運株ゆえか。昨年9月の反日デモで中国の3店舗が壊された平和堂<8276>は2月期決算を発表し、被害額を特別損失に計上しながらも20%の営業増益を達成し、今期見通しは27%の最終増益で65円高と買われた。その中国で「鳥インフルエンザで死者が出た」とメディアが騒ぎ立てるので、マスクを製造する興研<7963>が400円高、重松製作所<7980>が150円高で、ともにストップ高に。ダイワボウHD<3107>も12円高になった。風邪や花粉症や黄砂の季節が過ぎても、PM2.5の問題が下火になっても、鳥インフルエンザに地政学的リスクと、マスク関連銘柄が買われる材料は尽きない。

 円安の影響で輸入品の値上げを発表した大塚家具<8186>は45円高で年初来高値を更新。その円安の効果でこの春は訪日外国人観光客数が復調し百貨店や専門店の売上にも良い影響が出ている。その需要をうまく取り込めているとエイチアイエス<9603>はアナリストの評判も上々で245円の大幅高になった。データセンター増強を発表したセコム<9735>は90円高。1日の早朝ではなく午後に決算発表を行って3月期決算発表の一番乗り争いから降りてしまった焼肉店チェーンのあみやき亭<2753>だが、この日は営業利益2ケタ増益で今期見通しは最高益更新という決算の中身が改めて投資家の人気を誘い、16.2%上昇で値上がり率5位に入り年初来高値を更新した。先陣争いではなく業績や株価のほうで一番を目指してほしいところ。

 前日に大きく上昇した不動産株は、東証REIT指数こそ下げたが後場に目覚め、三井不動産<8801>は32円高、三菱地所<8802>は7円高。住友不動産 は55円高で年初来高値更新。不動産証券化(流動化)関連の銘柄は相変わらず強く、ケネディクス<4321>は売買代金1位に入り、ジャスダックのいちごGHD<2337>ともども年初来高値を更新している。

 商社株は中国の景気不透明感に加えてアジア株も不振で、三井物産<8031>は年初来安値の17円安、三菱商事<8058>は3円安でともに7日続落と下げが止まらない。中国関連のコマツ<6301>は年初来安値の43円安、日立建機<6305>は19円安。鉄鋼株はクレディスイス証券がセクター全体と新日鐵住金<5401>、JFEHD<5411>個別の投資判断を引き下げ、新日鐵住金は6円安で年初来安値を更新し、JFEHDも48円安と低迷した。その他、京セラ<6971>、ニコン<7731>、アドバンテスト<6857>、T&DHD<8795>、ヤマダ電機<9831>、DeNA<2432>、スクエニHD<9684>などの主力株が全面高の中で株価を下げていた。

 この日の主役は「ファッション小売」。3月の販売集計を発表して買われる銘柄が目立った。ファーストリテイリングは前日大引け後に月次発表があり、春物の値下げ大攻勢が功を奏して3月の国内ユニクロ既存店売上高は前年同月比23%増と好調だった。3月は12.8%増のユナイテッドアローズ<7606>は215円高で年初来高値更新。10.9%増だった靴のABCマート<2670>は225円高と〃足元堅調〃。「ゾゾタウン」のスタートトゥディ<3092>は3月の商品取扱高が28.2%増で、32円高で年初来高値を更新したが、残念ながら月次の発表はこれが最後という。良品計画<7453>も400円高で年初来高値を更新。タカキュー<8166>は一時ストップ高の76円高で値上がり率2位に入った。しまむら<8227>は420円高で年初来高値を連日更新。なお、子ども衣料の西松屋チェーン は午後2時30分に自社株買いを発表直後に株価が急騰し64円高で年初来高値を更新した。3月は休日の並びが良く気温も早くから上昇したため、どのチェーン店も春物が順調に売れて数字を残している。よく言われるように、個人消費のムードの変化はまず人が身につけるものから現れる、ということか。(編集担当:寺尾淳)