グランフロント大阪オープンで梅田の交通も変わる

2013年04月29日 15:21

 2013年4月26日、ついにJR大阪駅北側の「うめきた」に、巨大複合施設・グランフロント大阪がオープンした。衣料や雑貨、飲食など266店もの商業施設やオフィス、ホテル、住宅などが入る4棟の高層ビルで構成されたグランフロント大阪は、百貨店以外の駅周辺の商業施設としては日本最大級の広さを誇る。

 この、オープンにあわせて、グランフロント大阪と梅田のまちをつなぐ交通サービス「UMEGURU(うめぐる)」がスタートした。「UMEGURU」は梅田地区全体の回遊性の向上を図るために、開発事業者でつくる社団法人「グランフロント大阪TMO」が計画を進めてきた交通サービス。名称の由来は「梅田をぐるっと巡る」の意味。「UMEGURU」は「バス」と「チャリ」の2つのユニークなサービスで構成されている。

 まず注目したいのは、うめきた、西梅田、北新地、茶屋町の4エリア12拠点(1周約4km)を約30分で結ぶ巡回バス「UMEGURU-BUS(うめぐるバス)」だ。この黄緑色の小型バスの運賃は一律100円(子ども50円)と激安。一日乗車券も発売されており、こちらも200円(子ども100円)という値段なのだ。しかも、午前10時~午後9時まで10分間隔で走っており、利用しやすい。ミナミくらべて商業施設が分散しているため、歩けば以外に時間がかかってしまう梅田界隈のショッピングやビジネスも、これならスムーズに移動できるし、値段的にも気軽に乗れると利用者の評判も上々のようだ。

 そして、大都市では珍しいレンタサイクル「UMEGLE-CHARI(うめぐるチャリ)」。パリの街で庶民の足として親しまれるレンタサイクル「ヴェリブ」をイメージしたというこのサービスは、グランフロント大阪「うめきた広場」内に貸出・返却ポートを設け、1時間200円(以降1時間100円)で自転車を貸し出す。精算は無人精算機で、事前登録の必要もなく、すぐに利用できる。当初は30台でのスタートとなったが、秋以降、拠点や台数を増やして「乗り捨て型」にする見通しだという。台数が増えて、運営側の思惑通りに上手く定着すれば、他の大都市圏に向けての良いテストケースにもなるかもしれない。

 せっかく日本有数の商業施設ができても、周辺の移動が困難だったり、渋滞でなかなか動けなかったら継続的な集客は難しいだろう。グランフロント大阪は施設の利益だけでなく、梅田全体の交通を見直し、利用者の目線に立った便利でエコな町づくりを行おうとしているところが面白い。(編集担当:海月零)