【日経平均】TOPIXはプラスでも日経平均23円安で続落

2013年04月30日 21:26

 ファナックは終値870円安で値下がり率15位になり、日経平均を34円押し下げた。ファーストリテイリングは結局、値動きなしで終わったので、ファナック単独で日経平均をマイナスにしていた。26日に発表した3月期決算が、中国での工作機械の販売低迷が響いて最終利益が13%のマイナスになったのが大幅安の要因。自動車関連銘柄も不振で、今期見通しが「慎重すぎる」と評されたホンダ<7267>が135円安、デンソー<6902>が100円安、トヨタ<7203>が70円安で、この3銘柄で日経平均を17円押し下げている。マツダ<7261>は今期最終利益が倍増する予測が出ながら12円安、三菱自動車<7211>は値動きなし。スズキ<7269>は昨年、工場で暴動騒ぎが起きたインド子会社の1~3月期の最終利益が94%増とV字回復したのを好感され、148円高で年初来高値を更新している。

 この日は円高の進行で輸出関連株が悪く、内需ディフェンシブ系や情報・通信が良いと、はっきり色分けされていた。精密のリコー<7752>は今期最終利益が2.5倍になる予測が出ながらも99円安で値下がり率6位、キヤノン<7751>は65円安で3日続落。信越化学<4063>は90円安、東京エレクトロン<8035>は40円安、NEC<6701>は18円安で値下がり率10位とふるわなかったが、46円高のアドバンテスト<6857>、65円高で年初来高値を更新したテルモ<4543>のような例外もあった。内需ディフェンシブ系ではJT<2914>が90円高で年初来高値を更新し、花王<4452>が50円高、セブン&アイHD<3382>が40円高。情報・通信は「iPhone」新機種への期待もあってKDDI<9433>が100円高、日経新聞に前期の営業利益が8期連続最高益を更新するという観測記事が出たソフトバンク<9984>が55円高で年初来高値を更新し、日経平均プラス寄与度の1、2位を占めた。ボーイング787の運航再開が国土交通省から正式に承認されたANAHD<9202>は3円高、JAL<9201>は190円高で年初来高値を更新した。

 値上がり率ランキング2位に入ったティアック<6803>は株価2ケタの手軽さとギブソンによる買収という話題性で買われ15円高。売買高10位に入ったのは連休で元ロック少年が株取引デビューか? 同5位のドワンゴ<3715>は安倍首相も出演した27日の「ニコニコ動画」のイベントが成功をおさめストップ高で年初来高値更新。同8位のクレーンメーカー、タダノ<6395>は今期の営業利益が42%増、経常増益が35%でアナリスト予想を上回り、4円増配の見通しも好感され162円高で年初来高値を更新した。

 この日の主役は野村HD<8604>。31円高の終値793円で年初来高値を更新し、売買高、売買代金の両ランキングで1位を占めた。26日に3月期決算を発表し、最終利益は前々期の9倍で市場予測を大きく上回った。年間配当を6円から8円に増配した上、4000万株を上限とする自社株取得も発表する予定と株主還元策も怠りなく、朝から盛んに買いを集めた。終値ベースの株価は野田前首相の解散総選挙発言があった11月14日の282円から約2.8倍になっている。この日は大和証券G<8601>が41円高で年初来高値を更新し売買代金15位、SBIHD<8473>が257円高で値上がり率6位、売買高13位、売買代金2位、岩井コスモHD<8707>が202円高で値上がり率7位に入り年初来高値を更新するなど証券株が非常に好調で、業種別騰落率1位になっていた。JPX<8697>も80円高だった。(編集担当:寺尾淳)