【日経平均】手控えムードの中、13700円台も維持できず

2013年05月02日 20:49

 NYダウは138ドルの大幅安。ADP雇用レポートの民間就業者数増加は市場予測を下回り、ISM製造業景況指数は2ヵ月連続の低下と経済指標はふるわなかった。FOMC(連邦公開市場委員会)の2日目の討議後の声明では、FF金利などほとんどが現状維持の中で、QE3の資産買い入れについての「労働市場やインフレ期待の状況に応じ増額もしくは減額する準備ができている」という新しい表現に「雇用統計次第でQE3縮小」というニュアンスを感じ取った市場がネガティブに反応して下げ幅が拡大した。2日朝方の為替レートはドル円は97円台前半、ユーロ円は128円台前半で前日とほぼ同じ水準だった。

 GWの谷間の最終日、4連休前の日経平均は72.10円安の13727.25円で始まった。商いも細って静かな値動きで、前場はマイナスでも13700円台を維持していたが、後場は一段安になり午後1時半すぎには13700円を割り込み一時161円安に。「利益確定売りの金曜日」は3連休前は下げがきついが、今週は休日1日追加でさらに厳しく、夜のECB理事会や3日のアメリカの雇用統計発表を前にした手控えムードも加わった。それでも大引けでは値を戻し、105.31円安の13694.04円で今週3日間の取引を終えた。14000円台乗せどころか日経平均は今週全敗し、昨年11月以来の4日続落で前週末より190円も下げた。小型株がひろく買われて値下がり銘柄869に対して値上がり銘柄は728と意外に多く、TOPIXは-5.09の1153.28で健闘。売買高は27億株、売買代金は2兆1791億円で、今週は日を追うごとに売買が減っていった。

 業種別の値上がりセクターは電気・ガス、空運、医薬品、銀行、陸運、金属製品、精密機器の7業種のみ。値下がりセクターは下から鉄鋼、パルプ・紙、その他金融、ゴム、倉庫、機械の順番だった。

 ファーストリテイリング<9983>が650円安で日経平均を26円も押し下げては、日経平均寄与度プラス銘柄が2ケタ集まってもかなわない。大引け後に発表された4月の国内ユニクロ既存店売上高は前年同月比-3.0%で、3月の+23.1%から〃大暴落〃した。下旬の気温低下が原因と天気のせいにしているが、23日付朝日新聞の柳井正社長の「将来は年収1億円と100万円に分かれる」発言も影響しなかったか。ファナック<6954>は大和証券が投資判断を引き上げて下落に歯止めがかかり180円高だった。

 メガバンクはみずほ<8411>が1円高、三菱UFJ<8306>が1円安ながら三井住友FG<8316>だけが75円高と突出。自動車関連は不振が続き、トヨタ<7203>は4月のアメリカでの新車販売が前年比1.1%のマイナスと不調で60円安になり、年初来高値をつけた日から4日続落。日産<7201>は20円安、デンソー<6902>は55円安。スズキ<7269>も87円安で連騰に待ったがかかった。一方、電機・ハイテク系は復調してソニー<6758>は44円高。前日にインド最大の財閥タタ・グループとの業務提携を発表する一方、負債圧縮を目的に1000億円分の持ち合い解消と報じられたパナソニック<6752>は2円高だったが、CB償還財源として主力行から1000億円の追加融資を受けると報じられたシャープ<6753>は16円高と大幅反発した。オリンパス<7733>は50円高、TDK<6762>は35円高と順調だった。

 中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は速報値よりも悪化し、メーデー休暇明けで再開した上海総合指数は年初来安値を割り込む軟調ぶり。中国関連のコマツ<6301>は108円安と売られ値下がり率18位。その弟分の日立建機<6305>も46円安だった。JFEHD<5411>が99円安、値下がり率10位と悪かったのも中国が要因とみられる。安倍首相が訪問したトルコのエルドアン首相が新しい原発の建設を日本企業に任せると約束したのを受けて原発関連メーカーの木村化工機<6378>が80円のストップ高になり値上がり率3位に入った。東京電力<9501>も買いを集め、21円高で売買高、売買代金とも1位。新幹線の新富士駅や身延線、御殿場線の利用客増が見込まれ富士山関連銘柄として浮上したのがJR東海<9022>で、490円高で年初来高値を更新した。