富士山世界遺産登録 確実 6月ユネスコで

2013年05月28日 08:23

 日本を代表する富士山が、6月にカンボジアで開催され、第37回ユネスコ(国連教育科学文化機構)世界遺産委員会での、文化遺産登録が確実になった。

 地元山梨県・静岡県の住民は、永い間の念願が達成するとなり、その喜びはひとしおだろう。当初両県は、世界自然遺産として登録申請していたが、平成15年、国の世界自然世界遺産候補地検討会の最終選考で落選した。

 落選した理由としては、その価値は認めていたものの、ゴミの不法投棄環境問題をあげ、候補地委員会は、推薦リストから除外した経緯がある。その後両県は、古くから信仰や芸術の対象とされてきた富士山をアピールしていこうと方向を転換。そこで、海外から見た日本の象徴でもある、浮世絵に富士山が描かれていることに着目、文化的価値を全面に押し出し、自然遺産から文化遺産へと切り替え申請したもの。

 世界遺産とは、ユネスコの中にある、世界遺産員会が、「人類共通の保護すべき遺産」と認めた地域や、歴史的建造物を選ぶのだ。この世界遺産委員会は、ユネスコの世界遺産条約を結んでいる国の中から選ばれた、21ヵ国委員会で構成する委員会だ。

 会議は毎年開催され、世界遺産への登録、や登録された世界遺産の保全状態の点検などを行う。日本は現在委員国になっている。

 今回は、イコモス(国際記念物遺跡会議)が現地調査、その結果、条件付きで、世界遺産に登録するようユネスコに勧告したのだ。これで事実上の世界遺産登録が確実になった。

 豊かな自然を持つ、「自然遺産」、日本では北海道の知床などがある。一方仏教建造物のような遺跡などの「文化遺産」は、日本には、奈良の法隆寺など16ヵ所も登録されている。(編集担当:犬藤直也)