再生エネ 固定価格買い取り制度導入から1年の総決算

2013年07月03日 19:30

 原発に代わる自然エネルギー、再生可能エネルギーで発電した電力の、買い取りを大手電力会社に義務付けた「固定価格買い取り制度」が7月1日で、2年目に入った。この1年間で、運転を開始した再生可能エネルギーの発電施設は、原発1基分に相当するという。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、再生可能エネルギーの全国導入状況は、平成24年7月~平成25年2月までに運転開始したのは、太陽光発電125、7万kw、風力発電6.3万kw、中小水力発電0.1万kw、バイオマス発電3.0万kw、地熱発電0.1kwで、合計135.2万kwとなっている。

 これを見てもはっきりしているのは、太陽光発電施設が、再生可能エネルギー全体の93%を占めていることだ。これは、他の再エネに比べ施設の設備が容易なことと、買い取り価格が、割高で、十分な利益を確保できることから、建設、不動産、スーパー、宅急便、IT産業、郵便局などあらゆる産業が太陽光発電事業に参入し、相次いで大規模太陽光発電所(メガソーラー)設置に乗り出したためと言えよう。

 太陽光発電の買い取り価格は、25年度に入り、出力10kw以上の太陽光で、1kw時当たり、37.8円と前年度から1割引き下げられたが、それでも風力の約2倍の高値、今後も太陽光発電の拡大は続くと見られている。こうした日本の太陽光発電拡大に、海外の太陽電池メーカーの参入が、この1年目だった。日本と比べてモジュール価格は相当安く、中國を始め、韓国、カナダなどその攻勢は依然として続いているのが現状だ。

 しかし世界的にみると太陽光発電市場は一つの過渡期にきているといえよう。それを端的に表したのが、今年3月の世界最大の中国サンテックパワーの破たんである。価格競争による、採算悪化や、太陽光発市場の低下による供給過剰が背景にあると見る向きもある。    日本のメーカーは、需要はあるが、価格下落で、赤字に転落する企業も増えるのでは、と懸念する声もあるのは確か。(編集担当:犬藤直也)