最近、ドラッグストアなどでよく目にする「ノンシリコンシャンプー」。髪に関する健康志向やオーガニック志向の高まりから、ここ数年でじりじりと市場を拡大してきた。店頭には新興企業の見慣れない商品から大手メーカーが後追いで発売した新商品まで、数多くの種類が並ぶ。価格も1000円以上するものから安価な特売品まで様々だ。一体どのような層がノンシリコンシャンプーを使っているのだろうか。
美容経済新聞社が全国の男女500名に対し調査を行ったところ、「ノンシリコンシャンプーを使ったことがある」と答えたのは全体の約3割。これまで販売されていたシャンプーの多くがシリコン入りだったことを考えると、なかなかの割合だ。男女別では女性が34.4%、男性はその半数に満たない16.8%。特に関心が高いのは20代の女性で、42%が使ったことがあると回答している。若い女性がブームを牽引しているといえそうだ。
またシリコン入りとノンシリコンの違いをどの程度理解しているか尋ねたところ、「詳しく知っている」と答えた人はわずか6.8%。「なんとなく違いがわかる程度」と答えた人を含めても3割にとどまる。ブームとは裏腹に、製品の特徴まで詳しく理解している人は少数派のようだ。多くの人にとっては「シリコン=悪い物質が入っていないのだから何となく髪に良さそう」というイメージなのだろう。
だがここでも20代の女性は別。ノンシリコンシャンプーの違いを「わかる」と答えた人は6割と、平均の倍近い。可処分所得が多く、ヘアケアにも感心が強い20代女性が中心となってブームを形作っているのだ。彼女たちが通うヘアサロンでは昔からノンシリコンシャンプーがよく使われており、ここ数年のブームは美容師からの口コミによる部分も大きい。
また、「髪に悩みがありケア対策をしている」と答えた人のうち半数近くがノンシリコンシャンプーを使用したことがあることも分かった。ノンシリコンシャンプーは「ケア製品」と捉えられているのだろう。今後20代の女性以外にもブームを広げるためには、消費者の具体的な悩みに訴えかける「ケア」の要素を大きくするなどの工夫が必要かもしれない。(編集担当:北条かや)