調理後のヤケド防止に新技術、冷凍・チルド食品

2013年08月11日 13:35

手軽で価格が安定している冷凍食品の利用率は、若年世代を中心として急増している。一般社団法人日本冷凍食品協会が2013年3月に行った「冷凍食品の利用状況実態調査」によると、月1回以上冷凍食品を利用している男女1,250人のうち、週に2~3回以上冷凍食品を利用する人は、男性38.4パーセント、女性44パーセントで、年齢別では25歳~34歳が最も多い。また、昨年に比べ利用する頻度が増えたと回答した人は、男性23.8パーセント、女性24.5パーセントであった。

利用頻度が増えたと回答した人に対して、その理由を調査したところ、「調理が簡単だから」と回答した人が一番多く78人、以下「弁当を作るようになったから」72人、「おいしいと思う商品が増えたから」が66人であった。

冷凍食品の需要が高まる中、新商品開発や冷凍技術の向上はもとより、お弁当用に自然解凍が可能な商品や加熱調理時にパッケージを開封する必要がない商品など、用途別や利便性の高い商品がメーカー各社から競い販売されている。

そのような状況下で、凸版印刷株式会社<7911>は、電子レンジ調理時のヤケドや保存時の異物混入といったリスク軽減のための冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージを開発。13年8月上旬から販売を開始する。

パッケージのまま電子レンジで調理する食品は、電子レンジで加熱するとパッケージ内部に蒸気が発生する。この蒸気の圧力による袋の破裂を防止するため、パッケージには蒸気を逃がす工夫が必要となる。そこで、同社は独自に開発したフィルム成形・加工技術で、積層されたフィルムのうち、基材となるフィルムにのみレーザーで孔を空けることにより、電子レンジ加熱時、食品に密着する内側のフィルムが蒸気で裂け、孔がパッケージの内外を貫通するという仕組みを開発、商品化した。

レーザー加工を用いた冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージは業界初である。同社は同製品を冷凍食品業界やチルド食品業界などへ拡販し、15年度5億円の売上を目標に掲げている。

新しいものに敏感な若年世代。パッケージのまま電子レンジで調理できる冷凍食品が増えることにより、冷凍食品を購入する機会が広がり、ますます需要が伸びるのではなかろうか。(編集担当:中村小麦)