山本判事の言及 許される発言と山口公明党代表

2013年08月22日 17:44

 公明党の山口那津男代表は22日、前内閣法制局長官で現在、最高裁判事の山本庸幸氏が判事就任会見で、集団的自衛権の行使について「旧来の解釈を変えるのは難しい。(解釈変更による集団的自衛権の行使は)非常に難しいと思う」と語るとともに、集団的自衛権の行使には「憲法改正をした方が適切だ」と語ったことに対し、「ぎりぎり許される発言だ」と許容される範囲内の発言との認識を示した。

 山口代表は「集団的自衛権は有するが、現行憲法下では行使は認められない」とする、これまでの政府見解を「妥当」としており、行使を容認するかどうかには慎重な議論が必要で、法的安定性も踏まえ、周辺諸国との関係も視野に入れる必要があるとの姿勢を示していて、集団的自衛権の行使を認めれば「歯止めがなくなる」として、解釈改憲に否定的。議論はすべきだろうとの考えで、慎重に時間をかけて行う必要があるとの考え。

 一方、菅義偉官房長官は21日の記者会見で「安保法制懇談会の議論を踏まえ、政府として本格的に検討していく」と解釈改憲への姿勢を改めて明確に打ち出した。また、山本判事の発言には「内閣法制局長官をつとめ、合憲性の最終判断をする最高裁判事が公の場で(集団的自衛権の行使に)憲法改正の必要性まで言及したことには非常に違和感を持つ」と不快感をあらわにしていた。この点でも、集団的自衛権の行使に対する公明党と自民党の立ち位置の違いがあらわれている。(編集担当:森高龍二)