【今週の振り返り】急騰、急落を繰り返しても上昇幅10円の週

2013年08月24日 20:12

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手がかり難の真空状態で起きた、新興国通貨、株価総崩れショックで中国PMIサプライズ効果も限定的

 21日のNYダウは105ドル安で6日続落し7月3日以来の15000ドル割れ。7月末のFOMCの議事要旨が公表されたが量的緩和縮小開始の時期については意見が割れ株価は乱高下。それでも縮小はいずれ確実とみて長期金利は2.9%台に上昇し、中古住宅販売件数が3年8カ月ぶりの高水準でも「経済指標が良いと縮小が早まる」という観測で結局は大幅安。22日朝方の為替レートはドル円は97円台後半、ユーロ円は130円台半ば。

 日経平均は110.28円安の13314.05円で始まる。下げ幅を拡大して13200円台で推移するが、午前10時30分に上海市場が始まると上海総合指数はマイナスでもドル円は98円に乗せ、日経平均は徐々に下げ幅を圧縮して13400円台に乗せる。10時45分すぎに中国の8月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表され、50.1で7月の47.7を2.4ポイント、市場予測の48.2を1.9ポイント上回った。好・不況の分かれ目といわれる50を上回り、中国の景気底入れが最終確認される。上海総合指数は当然上昇し、東京市場ではまずTOPIXがプラスになり、続いて日経平均が11時前にプラスにタッチした。リスク回避の円買いがおさまって為替もドル高・円安が進み、まさにポジティブサプライズが起きた。

 しかし、為替はドル円は98円台でユーロ円は131円台にたびたびタッチする状況が続いても、日経平均のその後はパッとしない。11時台にはマイナスに戻って13400円を割り込むがTOPIXは前引けまでプラスのままで、後場は一段安で始まり、底堅いが浮上もしない時間帯が続く。午後2時前にTOPIXとともにプラスにタッチしても長続きせず大引け前の急騰も起こらず59.16円安の13365.17円で終えた。他のアジア市場もおおむね軟調で新興国通貨安の状況も変わらない。TOPIXは-2.18の1119.56で3日続落。売買高は19億株、売買代金は1兆6025億円だった。

 業種別プラスの上位は保険、建設、医薬品、水産・農林、小売、卸売など主にディフェンシブ系で占められ、マイナスの下位は電気・ガス、鉄鋼、倉庫、海運、電気機器、精密機器などだった。

 22日のNYダウは66ドル高で7日ぶり上昇でも15000ドルは届かない。システムトラブルで売買が約3時間停止したNASDAQも上昇。「中国PMIサプライズ効果」が地球を半周してから効き、ユーロ圏のPMIの好転、ヨーロッパ市場の好調さも追い風だった。長期金利が2.936%まで上昇したドルもユーロも円に対し強くなり、23日朝方の為替レートはドル円が98円台後半、ユーロ円が131円台後半と円安が大きく進行した。

 日経平均は218.59円高の13583.76円の大幅高でスタート。すぐ13600円台に乗せ、ドル円99円台、ユーロ円132円台の円安と上海や香港が高く始まったのを背景に10時台は一時13728円まで上昇した。しかし円安の勢いが鈍ると後場にかけて13700円をはさんだ値動き。午後1時を回ると13750円近辺に一段高。長期金利が上昇し、債券を売って株式を買う「リスクオン」が明確だった。ところがインド・ムンバイ市場のSENSEX指数が下落し、2時台に上海総合指数もマイナスで再開して下げ幅をひろげるにつれて日経平均も13700円を下回り、一時は13600円も割り込む。大引けにかけて少し戻し295.38円高の13660.55円で、3勝2敗、前週末から10円上昇して今週の取引を終えた。TOPIXは+22.07の1141.63。売買高は22億株、売買代金は1兆8775億円で今週最多だった。

 全面高で全33業種が値上がり。上位は不動産、輸送用機器、ゴム、証券、鉄鋼、機械など。下位は水産・農林、電気・ガス、サービス、空運、陸運、倉庫などだった。(編集担当:寺尾淳)