日本では今、TwitterやFacebook、Lineなどといったソーシャルネットワークサービスが人気を博しているが、ビジネス用途ではなかなか活用しにくいと思っている人も多いだろう。海外では、ビジネスにSNSを活用したい場合はLinkedInを利用するのが一般的だ。
LinkedInは、日本ではまだ馴染みが薄いが、世界では2億2500万人もの人が会員登録するビジネス特化型のソーシャルネットワークだ。ビジネス特化型というだけあって、プロフィール欄には主に職歴の入力が求められ、LinkeIn側ではそれらを活用した人材採用ソリューション、マーケティングソリューションなども展開している。
そんなLinkedInでは、世界を代表するリーダーたちが、日々の仕事に役立つ情報やアドバイス、経験談などを発信するインフルエンサープログラムというものを実施している。
米国大統領のバラク・オバマ氏、英国首相のデービッド・キャメロン氏、米Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏、ゼネラルエレクトリック元代表取締役社長・CEOのジャック・ウェルチ氏、JP モルガン・チェース会長兼最高経営責任者のジェイミー・ダイモン氏、ヴァージングループ創立者のリチャード・ブランソン氏、など250名以上が登録されている。
日本からも、安倍晋三首相、グロービス代表の掘義人氏、マネックスグループ<8698>代表執行役・CEOの松本大氏、楽天<4755>CEOの三木谷浩史氏、そして13年8月20日からは日本航空<9201>の植木義晴社長が新たに加わり、日本の社会、経済、ビジネス情勢などを英語で発信している。
植木氏は「日本で生まれ、日本で育った航空会社の社長として、日本の誇るおもてなしの心、きめ細やかな感性、気高い精神について、経験談などを交えて発信していく」としている。
世界を代表するリーダーたちの知恵や経験談を身近に知ることができるのも、インターネットの大きな恩恵だ。しかし、残念ながらLinkedInのようなサービスは日本ではあまり受け入れられていない。その最大のネックは「英語」だ。LinkedInは現在のところ、英語でのサービスしか行っておらず、一般的な日本人にとっては敷居の高いものとなっている。
LinkedInに限らず、Facebookにしても、世界に開かれているにも関わらず、日本人のほとんどの利用者が日本語での投稿しか行っていない。もちろん、自ら何かを発信するだけでなく、入手できるはずの貴重な情報やチャンスをも見逃してしまっているのだ。これは大きな損失に他ならない。日本の英語教育について、国家的戦略として考え直すべきときが来ているのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)