【今週の展望】雇用統計待ちと五輪開催決定待ちの様子見続く

2013年09月01日 20:15

 今日から9月になり、第1週(9月2~6日)は5日間の取引。第1月曜日の2日はアメリカでは連邦政府の祝日レイバー・デー(労働者の日)で、NY市場もNASDAQも休場になる。カナダも休日。レイバー・デーは夏が終わる日、バカンス気分にピリオドを打って頭を「学校モード」や「仕事モード」に切り替える区切りの日とされ、翌3日からアメリカの政・官・財界は本格始動する。

 国内の経済指標は、2日は4~6月期の四半期法人企業統計調査(全産業設備投資額)、8月の新車販売台数、大手百貨店売上速報、3日は8月のマネタリーベース、7月の毎月勤労統計調査(現金給与総額)、ファーストリテイリング<9983>の8月の国内ユニクロ既存店売上高、5日は8月の車名別新車販売、6日は7月の景気動向指数(一致指数、先行指数)、8月の携帯電話各社の契約件数が、それぞれ発表される。

 4~5日は日銀の金融政策決定会合が開かれ、5日の終了後に黒田総裁が記者会見を行い、6日に日銀の金融経済月報が発表される。5~6日にはロシアの古都サンクトペテルブルクでG20サミットが開催され、安倍首相が出席する。6月のG8サミットと違って議題の大部分は金融・経済問題になる。

 そして週末、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるIOC総会で、2020年オリンピック開催都市がIOC委員の投票により、東京、マドリード、イスタンブールの3都市の中から選ばれる。日付は7日だが、最終決定の瞬間は日本では8日の日曜日の未明から午前中にかけての見込み。東京になるか、ならないかで秋の相場は大違いになりそうだが、これはもう、天命を待つしかない。

 主要企業の決算発表は、2日は伊藤園<2593>の4月期第1四半期、ピジョン<7956>の1月期第2四半期、内田洋行<8057>の7月期本決算、3日はモロゾフ<2217>の1月期第2四半期、4日はくらコーポレーション<2695>の10月期第3四半期、三井ハイテック<6966>の1月期第2四半期、5日は積水ハウス<1928>の1月期第2四半期、クミアイ化学工業<4996>の10月期第3四半期、6日はクックパッド<2193>の4月期第1四半期、SUMCO<3436>の12月期第2四半期、エイチ・アイ・エス<9603>の10月期第3四半期、カナモト<9678>の10月期第3四半期、丹青社<9743>の1月期第2四半期の決算が発表される。

 海外の経済指標は前半にヨーロッパの発表が多く、景気に本当に明るさが見えているのかを確かめられる。6日は来週最大の注目、アメリカの雇用統計が日本時間の午後9時30分に発表される。市場予測は失業率が7.4%、非農業部門雇用者数の伸びが17万人で、発表された数字は17~18日のFOMCでの量的緩和縮小(テーパリング)開始の判断に大きな影響を及ぼすとみられている。

 2日はドイツ、英国、ユーロ圏の8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値、3日は英国の8月のBRC小売売上高調査、ユーロ圏の7月の卸売物価指数(PPI)、アメリカの8月のISM製造業景況指数、7月の建設支出、4日はオーストラリアの4~6月期の四半期国内総生産(GDP)、フランスの7月の卸売物価指数(PPI)、ドイツ、英国、ユーロ圏の8月のサービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値、ユーロ圏の4~6月期の四半期域内総生産(GDP)改定値、7月の小売売上高、アメリカの8月のチャレンジャー人員削減数、新車販売台数、7月の貿易収支、5日はドイツの7月の製造業新規受注、アメリカの8月のADP雇用統計、4~6月期の四半期非農業部門労働生産性改定値、8月のISM非製造業景況指数、7月の製造業新規受注、6日はドイツ、フランス、英国の7月の貿易収支、ドイツの7月の経常収支、鉱工業生産指数、フランスの7月の財政収支、8月の消費者信頼感指数、英国の7月の鉱工業生産指数、製造業生産指数、アメリカの8月の失業率、非農業部門雇用者数、8日は中国の8月の貿易収支が、それぞれ発表される。

 3日の午後1時30分(日本時間)にオーストラリア準備銀行が政策金利を発表し、4日にアメリカでは地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。5日の大引け後(日本時間)にイングランド銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表し、ECBのドラギ総裁が記者会見を行う。

 なお、G20サミット前の4~5日にアメリカのオバマ大統領がスウェーデンを訪問する予定で、シリア問題に早期決着をつけるなら3日よりも前になるのだろうか。オーストラリアの連邦議会総選挙は7日の土曜日が投票日になる。