コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)の販売台数はスマホのカメラ機能が充実してきていることにより減少傾向にある。それに対抗する手だてをコンデジを販売するメーカーはなかなか打てないというのが現状だが、ソニー<6758>がそれに一石を投じる製品を発表した。
ソニーは、スマートフォンと組み合わせて使える“レンズスタイルカメラ” 『DSC-QX100』と『DSC-QX10』を発売する。
この製品は、レンズ、CMOSイメージセンサー、イメージプロセッサのカメラ構成要素をはじめ、ズームレバーやシャッターボタン、電源ボタン、メモリーカードスロット、バッテリーなどを、「レンズ型ボディ」にすべて搭載している。スマートフォンに装着してWi-Fi接続することで、スマートフォンの画面をモニターとして映像を確認しながら、写真や動画を撮影することができる。
また、スマートフォンと離して、手持ちで自由な角度に構えながらの撮影も可能だ。撮影後には、スマートフォンから自分の気に入ったアプリで写真を編集・加工・SNSへのアップロードなども快適に行なえるなど、これまでになかった新しいカメラだ。
『DSC-QX100』は、同社の高級コンパクトカメラ「RX100 II」と同じ、大型(1.0型)裏面照射型Exmor R(エクスモアアール)CMOSイメージセンサー(有効約2020万画素)と、あらゆる焦点距離で優れた描写性能と美しいボケ味を両立する開放値F1.8の大口径カールツァイス「バリオ・ゾナーT(ティースター)」レンズを搭載している。そのため暗所での撮影においてもノイズが極めて少なく、また美しいボケ味のある画を撮影できるとしている。
また、最新のPlayMemories Mobile対応による絞りなどの各種設定や、レンズ部のコントロールリングによるマニュアルフォーカスと光学ズームの操作が可能。スマートフォンのユーザーがこれまでとは違った、本格的で楽しく撮影できる新しいスタイルのカメラとして、画質や描写力に優れた小型・軽量の普段使いしやすい製品だと同社はしている。
『DSC-QX10』は、光学10倍ズームと光学式手ブレ補正機能により、これまでスマートフォンの単焦点カメラでは難しい遠方の被写体をブレずに画質の劣化なく撮影できる。また、有効1820万画素1/2.3型の裏面照射型Exmor R CMOSイメージセンサーと「プレミアムおまかせオート」の搭載により、従来撮影が困難であった暗いシーンでも、フラッシュなしで明るく、ノイズを抑えた撮影ができる。特にコンパクトなこの製品は、手軽に日常や旅行などで携帯しやすく、普段からスマートフォンで撮影し、SNSでシェアしているユーザーが、光学ズームを生かし、遠くの被写体でも簡単に撮影できるモデルだ。
久しぶりにソニーが「ソニーらしい」独創的な製品を市場に送り出してきたことは、それだけ喜ばしいと、往年のソニーファンは思っていることだろう。(編集担当:久保田雄城)