10月1日のNYダウは62ドル高と反発しNASDAQは13年ぶりの高値。政府機関の一時閉鎖が始まっても、さすがに買い戻された。ISM製造業景況指数が0.5ポイント上昇の56.2で市場予測を上回り2年5ヵ月ぶりの高水準だったのが支援材料。与野党対立の最大の争点オバマケアで設立される「保険市場」の登録が始まりヘルスケアなど関連銘柄が上昇し、市場は共和党の譲歩を織り込み済み。2日朝方の為替レートは、ドル円98円近辺、ユーロ円132円台半ばで円高が進んでいた。
前日午後6時、安倍首相が記者会見で予定通りの17年ぶり消費増税を発表した。5兆円規模の経済対策や復興特別法人税の1年前倒し廃止など事前に伝えられた内容ばかりでサムシングニューはなく、材料出尽くし。会見中にCME日経平均先物は175円も急落しドル円も大きく円高に振れた。ザラ場中だったら市場を余計に混乱させていただろう。
日経平均は小幅7.75円高の14492.47円で始まり、14500円を突破して14569円までのぼりつめた後、午前10時台にはマイナス圏まで落ち10時30分すぎには14400円も一時割り込む。11時をすぎるとオーストラリアの8月の貿易収支で貿易赤字が大きく拡大したのを嫌気して豪ドル安・円高が進行し、ドル円も97円台で円高が進み下げ足が止まらず、前引けは14382円だった。
後場は14400円を越えて始まってもあっさり下落し14300円も割り、30分で14216円まで急落。アメリカの政府機関一時閉鎖で4日の雇用統計発表が延期されそうだというニュースが入りドルは一段安になった。午後1時台はさらに14159円まで下げる。その後は14200円台前半で推移していたが、2時台に再び14200円を割り、2時40分に14114円の最安値をつける。大引け間際に戻して終値は314.23円安の14170.49円で反落。消費増税決定に対する市場の回答はまことに強烈だった。TOPIXは-18.28の1175.16で4日続落。売買高は29億株で30億株に届かなかったが、売買代金は2兆4059億円に増えた。
プラスのセクターは情報・通信、電気・ガスの2つ。マイナス幅が小さいセクターは鉱業、医薬品、金属製品、空運など。マイナス幅が大きいセクターは非鉄金属、その他金融、精密機器、繊維、証券、倉庫などだった。
2日のNYダウは58ドル安と反落。9月のADP雇用統計の就業者数は16万6000人増で市場予測を下回り、一時は150ドル近い下落だった。新年度予算成立のメドが立たず連邦政府機関の一時閉鎖が続くが、オバマ大統領の与野党幹部との会談に期待して引けにかけて上昇した。レッタ首相が信任されイタリアの政局混乱が収拾。ECBが政策金利0.5%を据え置いてユーロは持ち直したが、3日朝方の為替レートはドル円は97円台前半、ユーロ円は132円台前半で円高傾向は続く。
日経平均は30.38円安の14140.11円で始まる。瞬間プラスにタッチするが10分ほどで急落して14100円を割り込んでボトム14082円。長続きせず反発し14170円近辺まで戻すが、午前10時前に再び約80円の急落が起こって14100円割れし、すぐに半値戻しと日経平均は先物主導の不安定な相場が続く。それでもTOPIXはプラスの時間帯が長い。10時台も激動し、中国の非製造業購買担当者景気指数が市場予測を上回る伸びで、前日に貿易赤字拡大で急落した豪ドルレートが大きく回復してドル円も円安に振れ、日経平均は上昇し14217円のピークをつけるが、そこからまたマイナスまで下落した。前日終値近辺でもみあった末、前引けは16円安になる。
後場は開始直後にプラスになってもあっさりマイナスに。1時間ほど沈んでいた間もTOPIXはプラスだった。午後2時前に再びプラスに浮上し14200円にもタッチするが、2時30分すぎにはマイナスにもタッチと忙しい。最後は小幅高水準を大引けまで維持できず13.24円安の14157.25円で続落。TOPIXは-1.17の1173.99で5日続落した。売買高は24億株、売買代金は2兆396億円だった。
業種別騰落率は10対23でマイナス優勢。プラス上位は情報・通信、鉄鋼、精密機器、陸運、海運、電気・ガスなど。マイナス下位は保険、鉱業、石油・石炭、ゴム、金属、不動産などだった。
3日のNYダウは136ドル安で15000ドルの大台を割り込んだ。オバマ大統領と共和党幹部の会談も成果はなく、手詰まり。政府機関の一時閉鎖による雇用統計の発表延期が正式に発表された。財務省が、債務上限が引き上げられなければ米国債のデフォルトで深刻な金融危機を招く恐れがあるという報告書を発表し、中旬のデッドラインも意識され全面安。ISM非製造業景況指数は市場予想を大きく下回り景気腰折れ懸念も浮上。円が買われドル円は一時96円台になり、4日朝方の為替レートはドル円97円台前半、ユーロ円132円台前半だった。
日経平均は127.52円安の14029.73円で始まるが14000円の大台は割りそうで割らない。しかし午前9時30分すぎからたびたび割るようになり、10時4分には13944円の安値をつけた。ザラ場の13000円台は東京五輪決定直前の9月6日以来で、五輪決定効果が吹き飛んだことになる。それでも14000円を下回ると数分で反発し底堅い。10時30分頃から徐々に切り上げ、前引けは14100円手前。麻生太郎財務大臣が法人税見直しについて「国際競争のためには考慮しないといけない」と発言したのが材料視された。日銀の金融政策決定会合の結果は政策は現状維持で、景気判断は「緩やかに回復」で据え置いた。
後場は14100円をはさむ小動きが続いた後、午後1時45分頃から値を上げるものの利益確定売りの金曜日のせいか上値は重く、なかなかプラスにタッチできない。2時20分をすぎるとズルズル下落が始まる。その時、円高が急進してドル円が一時96円台になっていた。結局、14000円割れ手前で踏みとどまったが終値は3日続落。132.94円安の14024.31円で、1勝4敗、前週末と比べ735円の大幅安を喫して今週の取引を終えた。TOPIXは-10.17の1163.82で6日続落。売買高は23億株、売買代金は1兆8592億円で売買は盛り上がらなかった。
東証1部業種別騰落率のプラスはその他製品の1業種のみで、マイナス幅が小さい業種は石油・石炭、卸売、医薬品、その他金融、食料品など。マイナス幅が大きい業種はゴム、保険、空運、パルプ・紙、金属製品、証券などだった。(編集担当:寺尾淳)