【日経平均】14000円の抵抗線を割ると底なしの170円安

2013年10月07日 20:23

 前週末4日のNYダウは、雇用統計の発表は延期されたが76ドル高で3日ぶりに反発し15000ドル台を回復した。オバマ大統領が外交日程をキャンセルして議会対策に専念し、ベイナー下院議長が共和党議員に「デフォルトは起こさせない」と述べたのが買い材料だったが、週末まで事態は何も変わらなかった。ロッキード・マーチンは7日から約3000人の一時帰休を実施すると発表し下落。ボーイングも実施する。共和党の下院議員は、雇用減で自分の選挙区から悲鳴があがれば来年秋の中間選挙が怖いはず。7日朝方の為替レートは、ドル円が97円台前半、ユーロ円が132円近辺で依然、円高水準だった。

 安倍首相の「アジア外交ウィーク」で「ノーベル賞ウィーク」の日経平均は33.48円高の14057.79円で始まる。時々マイナスにタッチするが、14000円近辺がサポートラインになっておおむね小幅高・小動きが続く。しかし午前10時を回ると14000円割れし、為替も円高方向に振れて、そのままズルズル落ちていく。抵抗されても「最後の一線」を越えるとそんなもの。その後は踊り場、急落、踊り場、急落のパターンを繰り返し、13900円も割り込んで前引けは13873円だった。

 後場は13800円台から何度も13900円にタッチする小動き。8月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は0.1ポイント低下の107.6、先行指数は1.4ポイント低下の106.5。基調判断「改善を示している」は据え置いた。発表後の午後2時台に日経平均は13900円台に定着して14000円台に戻るかと思われたが、あっさり13800円台に押し戻され、大引けにかけて再び下げて終値は170.99円安の13853.32円。4日続落して東京五輪決定直前の9月6日以来の終値13000円台になった。TOPIXは-16.24の1147.58で7日続落。日本株の下落ぶりはもはや底なしの様相を呈している。売買高は23億株、売買代金は1兆8119億円と低調だった。

 値上がり銘柄249に対し値下がり銘柄は1449で東証1部の約83%を占める全面安。それでも業種別騰落率は情報・通信と空運の2業種がプラスだった。マイナス幅が小さい業種はパルプ・紙、食料品、倉庫、水産など。大きい業種は電気・ガス、その他金融、証券、不動産、鉱業、保険などだった。

 日経平均プラス寄与度はソフトバンク<9984>が+24円の孤軍奮闘。マイナス寄与度は1位ファーストリテイリング<9983>と2位ファナック<6954>が合計で-34円、日経平均を押し下げた。日東電工<6988>は、年初来高値を更新した日経平均採用前日9月25日の終値から1800円安で23.9%も下げ、4位で今やマイナス寄与度上位常連だ。

 金融関連はマイナスばかり。ドル円が97円台にへばりついては自動車関連も電機も鉄鋼も精密もいいところなしだったが、日本板硝子<5202>は吉川恵治社長がインタビューに「来期、黒字化するだろう」と答えて2円高と反発していた。シャープ<6753>はこの日から9日まで公募増資の公募決定期間に入り、6日続落し値下がり率9位の26円安で4月10日以来の300円割れ。公募価格が安くなると財務改善が遠ざかる。シチズンHD<7762>はバークレイズが目標株価を引き上げて3円高。メリルリンチ証券が目標株価を引き上げたヤマハ<7951>は28円高になった。東芝プラントシステム<1983>は123円高で値上がり率2位。JPモルガン証券が投資判断を引き上げたが、その評価ポイントの一つは東京電力<9501>柏崎刈羽原発の再稼働への期待だった。

 その東京電力は売買高、売買代金とも2位だが値下がり率14位の40円安で5日続落し1ヵ月ぶりの500円割れ。自民党の塩崎恭久政調会長代理がテレビ番組で分社化の検討に言及し、それではJAL<9201>の経営破たんの時のように株主が責任を負うのではないかという思惑で売られた。再上場したそのJALは国土交通省にANAHD<9202>優先の羽田国際線枠の見直しを要求。ボーイング777の後継機としてエアバス社からA350を初購入すると発表し、170円高と買われ値上がり率18位に入った。ANAHDは7円安。

 ノーベル賞関連では、「酸化チタンの光触媒反応」の東京理科大学長の藤嶋昭博士の化学賞受賞に期待してチタン工業<4098>が31円高で値上がり率1位。9円高で値上がり率16位に入った書店の丸善CHI<3159>は村上春樹氏の文学賞期待。ゲーム関連ではマザーズのモブキャスト<3664>が世界屈指のゲームの大市場、韓国でスマホゲームを50本投入すると発表して一時ストップ高の391円高になった。値上がり率ランキングには3DプリンターのローランドDG<6789>、東京ベイエリア含み益のケイヒン<9312>、東洋埠頭<9351>など、ちょっとなつかしいテーマ株が帰ってきていた。

 この日の主役は9月にiPhoneを発売した携帯電話3社で、注目の月間の携帯電話契約件数が各社から発表された。NTTドコモ<9437>は6万6800件の純減、KDDI<9433>は23万2700件の純増、ソフトバンクは27万700件の純増で、噂通りにiPhoneの品薄で販売機会を逃したドコモの一人負け。210円高のソフトバンクの売買代金1390億円はダントツの1位で、KDDIは値動きなし。19円安のドコモはMNP(番号ポータビリティ)でも13万3100件の流出で、10万件以上の流出が7ヵ月続いている。iPhoneを取り扱っても話題が先行するばかりで他社に逃げたユーザーは戻ってこず、契約件数の回復につながらなかったが、グループ持株会社のNTT<9432>は60円高になっていた。(編集担当:寺尾淳)